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中小企業診断士第2次試験 独学合格 〜筆記試験〜
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    今回は、中小企業診断士二次試験の合格体験記です。

    筆者は4年前に一次試験に独学で1発合格しており、その年の二次試験に不合格。翌年は試験を受けずにスルーし、中小企業診断士の講師をしてはじめた関係で翌々年の1次試験に再度受験して合格。その合格した年にも二次試験を受けられず、その次の年に3年ぶりに受験して無事合格しました。

    しばらく試験を受けなかった理由としては、業務が多忙だったことに加えて確実な合格方法が見つからなかったことがあげられます。中小企業診断士二次試験は解答が公表されず、対策が立てづらい試験です。合格体験記を書くにあたって「中小企業診断士は運です!」なんて言っても有用な記事になりません。
    そして今年やっと中小企業診断士二次試験に合格できるという自信があったため受験し、見事に合格できました。

     

    他サイト様では独学とは言っても通信講座や情報商材を利用している例が多々みられます。が、本サイトでは書店で購入できる書籍のみで合格した体験記を紹介します。結論から言って、独学は非常に難しかった…… しかし、大変な反面、情報収集能力や分析能力は格段に向上しますね。市場に出回っている書籍をすべて購入して比較検討したりと、無駄な出費も結構かさんでしまったため、このノウハウが皆さんの役に立てられればなと思います。

    さらに、初年度は不合格となっているため、なぜ不合格になったのか、その時にはどの教材をどのように使っていたのか、という誤った学習方法にも所々触れていきます。

     


    ■概要
    中小企業診断士全般につきましては過去の一次試験の記事をご参照ください。本記事では二次試験の中の、特に筆記試験について概要を説明します。

    筆記試験を合格すると次に試験としては最後の口述試験がありますが、その合格率が毎年99%以上であることを考えると筆記試験が中小企業診断士試験の最大の山場と考えられます。一次試験をくぐり抜けてきた受験生の中で争わねばなりません。合格率が毎年20〜25%あたりであることを考慮していると、合格点をとったから合格という絶対評価でなく、受験生の中の上位何割かを合格させる相対評価の試験だと考えるのが妥当でしょう。つまり、ハイレベルな受験生の中で上位にならなければ合格できないことになります。

    試験科目は事例1、事例2、事例3、事例4の全4科目。それぞれの受験時間が80分なので合計320分の試験となります。それぞれの科目の概要は以下の通りです。カッコ内は一次試験の関連科目になっています。

     

     事例1:組織人事(企業経営理論)
     事例2:マーケティング流通(企業経営理論、運営管理)
     事例3:生産管理(運営管理)
     事例4:財務会計(財務会計)

     

    年度によっては、経済学、経営法務、中小企業経営・政策、経営情報システム、の知識を使う場合もありますが、基本的には企業経営理論、運営管理、財務会計がメインです。つまり、これらの3科目についてはシッカリと理解しておく必要があります。

    そして、筆記試験最大の特徴は解答が公表されないことです。出題の要旨は試験委員会から発表されますが、具体的な模範解答は公表されません。ですので、各資格学校が提供する過去問題集の解答がすべて違うことが起こりえるため、非常に学習が難しい試験となっています。せめてもの救いは、暗記科目ではないため学習時間をそれほど多く確保しなくても済むといったところでしょうか。

     


    ■試験結果

    試験結果に関しては、合間を見て成績開示請求をしようかと考えています。

    今回は時間の算出が難しく、費用に関しましても市場に出回っている中小企業診断士二次試験対策本をほぼ全て購入したため計算が困難なため割愛させていただきます。私自身はすべての書籍を読破しましたが、購入した書籍の中で個人的に有用と思ったものに絞って本記事で紹介します。

    一応、合格した年に関しての学習状況を説明しますと、試験日の10日前から勉強を開始したので総勉強時間は10時間ほどです。が、筆者は中小企業診断士の講師をしていましたので一次試験の知識(特に財務会計)は一般の方よりかなり高いレベルで習得していました。さらに初年度の受験で事例攻略のセオリーは終わらせていたため、事例の解き方も習得した状態からのスタートでした。

     


    ■計画
    自身の経験およびインターネットで調査した結果、事例4に力を入れて他の事例は過去問を1年か2年分だけシッカリと解く計画を立てました。

    事例1〜事例3は学習時間と点数が比例しないため、深く踏みこんではいけません。なぜならば、これらの事例は国語力の問題であり、さらに出題者が意図した解答を制限時間内に読み取らなけらばならないという、ある意味博打的要素があるからです。一方、事例4は努力と得点が比例する科目であり、二次試験唯一の「答えがある」科目でもあります。傾向と対策を練れば確実に得点できるということです。しかも、一般的に中小企業診断士受験生は財務会計が苦手とのこと。二次試験は相対評価ですので事例4が得意だと他の受験生と大きく差をつけることができます。

     

    以上より、事例1〜事例3では多面的解答によって出題者の意図を大きく外さないように意識します。多面的解答とは、解答を1つの要点に絞って深く詳細に記述するのではなく、幅広くキーワードを入れ込むことで失点を回避する手法のことです。事例1〜事例3においては満点をとる必要はありません。3科目平均で50点以上取れれば良いのです。なぜならば、仮に事例1〜事例3の平均点が50点だったとしても、事例4で90点取れれば合計点が240点を超えるため合格基準点をクリアできるからです。

    あとは、試験委員会の方が書籍を出していますので、通勤時間や風呂の時間などを使って読むようにしました。単純に読み物として面白いですし、中小企業ならではの強みの生かし方や成功例を学ぶことができます。ちなみに筆者は現在までに各書3回以上繰り返し読んでいます。書籍の詳細につきましては【具体的な書籍の進め方】に箇条書きにしております。

     

    学習の注意点としましては、複数の事例を解き過ぎないことです。インターネット上では解いた事例数を競い合っている例もありますが、個人的にはおススメしません。過去2年、3年分を何回も繰り返して「ふぞろいな再現答案」のキーワードと見比べて、解説をシッカリと読み込んだ方が良いと思います。「ふぞろいな再現答案」は解答基準が不明な中小企業診断士試験には強力な書籍です。「ふぞろいな再現答案」は、各年度の受験生の答案と評価(合格、A、B、C、D)を収集し、それぞれの評価と答案を見比べて加点されているであろうキーワードを推定し、編集グループの考察とともに問題の分析、対策をしていこうという趣旨のもと作成されたものです。

     

    不合格になった初年度は過去10年分の事例を万遍なく学習してしまいました。事例を複数解くことのデメリットは、_鬚い燭海箸破足してしまい復習時間が減ること、⊆,了例を早く解かなければならないという強迫観念のようなものに駆られて1つの事例に集中できなくなること、書籍購入代金がかさむこと、です。
    筆者が合格した年には、事例は過去2年分しか解いておりません。1つの年の事例に注力し、各々3回ずつ復習しました。同じ問題を何度も解いてると分かりますが、与件文は非常に奥が深い。何気ない1文が解答への伏線になっていたりと、与件文すべての文言に意味があることに気がつかされます。80分以内という時間内には出題者の意図に気がつけなくても数時間かければ完全にくみ取ることは難しくても、大きく外すことはない解答を作れるようになります。

     

    さて、事例1は人事・組織、事例2はマーケティング、事例3は生産管理、という視点で解く必要がある点を除けば基本的な解答の仕方はすべて同じです。与件文から解答の根拠を見つけ出し、もしも見つけられなければ一次試験の知識を使って解答する、という事例攻略のセオリーを採用できます。

    一方で事例4は知識と計算勝負。優先順位のつけ方も必要です。事例4では新問題も出る傾向にあるため、中小企業診断士試験対策の参考書だけでは不十分だと考え、簿記1級のサクッとシリーズ、税理士・公認会計士試験対応の意思決定会計講義ノートを採用するのが良いです。
    実際に「意思決定会計講義ノート」は非常に有用でした。元々は、税理士や公認会計士の試験対策書なのですが、中小企業診断士試験にも非常に有用です。全体を通してかなりレベルが高いので簿記1級の書籍と並行して進める必要があります。特にCVPやNPVに関しては本書をマスターしておけば本試験でどんな問題が出題されても対応できるレベルになっているはずです。
    なお、平成23年度の本試験には、本書に掲載されている予防原価が初めて出題されています。近々デシジョンツリーも出題されるかもしれません。

    簿記1級の本は商業簿記第3巻のキャッシュフロー計算書の章、そして工業簿記第3巻の原価計算の章を完璧にしておくと良いかと思います。余裕があれば1級の商業簿記3冊と工業簿記3冊の合計6冊終わらせても良いかもしれません。平成25年度の中小企業診断士試験では200%定率法が出題されたのですが、商業簿記をやっていれば難なく対応できる問題でした。

    あと、問題と課題、対策の違いを理解することは非常に大切です。課題を聞かれているのに問題を答えたり、対策を聞かれてるのに抽象的な解答をしてしまうと大きく失点してしまいます。過去記事にこれらの違いをまとめておりますのでご参照ください。


    「問題」「課題」「対策」の違いとは 〜ロジカルシンキング〜

    具体的な書籍の進め方は下記の通りです。カッコ内は初年度受験生の完了目安です。一次試験から二次試験筆記試験までは約2ヵ月あるため、合計60日になるようにしました。多年度受験生は1年計画で一つ一つ丁寧に解くと良いでしょう。

     

     1.中小企業診断士2次試験事例攻略のセオリー(10日)
     2.中小企業診断士2次試験セオリーで解く模擬問題集(5日)
     3.意思決定会計講義ノート ※サクッと受かる日商簿記1級 と併用(40日)
     4.中小企業診断士2次試験 ふぞろいな再現答案(5日)

     

    また、空き時間には以下の書籍を読書代わりに読みます。中小企業診断士試験の試験委員会に属する先生方が執筆したものです。

     

     ・小が大を超えるマーケティングの法則
     ・引き算する勇気 ―会社を強くする逆転発想
     ・ビジネスモデル革命―グローバルな「ものがたり」への挑戦

     

    上記書籍を読み終えて余裕があるなら「スモールビジネスマーケティング」もおすすめです。ただし、小が大を超えるマーケティングの法則とかぶってる内容も多いので必須ではありません。

     


    ■実行
    まずは「中小企業診断士2次試験事例攻略のセオリー」を解きます。事例を解くノウハウが詰まっていますので、はじめはこの書籍からはじめると良いかと思います。他の書籍から解いてしまうと、何となく解説を読むだけであいまいな理解になってしまうのですが、事例攻略のセオリーでは論理的に解答の導き方が説明されており、なおかつ時間配分のモデルまでも提供してくれています。
    本書で演習が足りないと感じたら「中小企業診断士2次試験セオリーで解く模擬問題集」を補完教材として解くと良いでしょう。セオリー通りに演習を何回もこなすことでセオリーを身につけることができます。
    なお、「中小企業診断士2次試験事例攻略のセオリー」は年度によってはプレミアがついて高額になることがあるため、最新のものを早めに購買すると良いでしょう。もしも買うのが遅れてしまった場合、過去のもので安いものを探して中古で購入すると良いです。というのも、セオリーのノウハウはどの年度のものを買っても変わりなく、解く対象の問題が異なるだけだからです。

     

    次にはじめるのが「意思決定会計講義ノート」です。これが非常に大変です。ちなみに筆者はこの本を30周くらいこなしています。もう全ページ皺くちゃです(笑)。この本は一次試験を受験する前に着手すると良いかもしれませんが、そうすると一次試験の学習効率が落ちてしまうのが悩みどころです。
    直接原価計算のメリットやデメリット、CVPやNPVの多岐に渡るバリエーション等、非常に多くの内容を、しかも高いレベルで学ぶことができます。本書に載っていない要点で中小企業診断士試験で頻繁に出題されるのはキャッシュフロー計算書関連だけでしょう。そこに関しては、サクッとシリーズの商業簿記第3巻の対応する章を反復演習すれば問題ありません。キャッシュフロー計算書は原理さえ分かってしまえばなんてことはないのですが、丸暗記で対応しようとすると誤答が増えます。実際に平成28年度試験では前年度と今年度分の減価償却費が問題文で与えられており、今年分のキャッシュフロー計算書を作成する問題が出題されました。減価償却費の増加分を今年度分に計上していると解答した人がちらほらいたようですが、原理を理解していれば今年分の減価償却費だけ考慮すれば良いなんてのは容易に分かることです。

     

    閑話休題、意思決定会計講義ノートを進めるにあたってつまずいたら、サクッとシリーズ(工業簿記 第3巻)に戻ると理解できるようになります。時間があれば工業簿記第3巻を仕上げてから意思決定会計講義ノートに進むのが良いので、試験日までの残り日数と勘案して進めることが肝要です。

     

    最後に着手するのが「中小企業診断士2次試験 ふぞろいな再現答案」です。
    これまでに、事例攻略のセオリーで各事例の解き方を習得済みで、意思決定会計講義ノートおよびサクッとシリーズで事例4にも対応できる知識・計算力が身についているはずですので、今度は実際の試験問題と解答用紙をダウンロードして、時間を計測して解くようにします。
    この段階で学んで欲しいことは、事例攻略のセオリーが絶対ではないということです。ふぞろいな再現答案をやると分かりますが、与件文の内容が複数の問題に渡ってキーワードとなっていることがあることに気がつきます。ここで意識すべきなのが多面的解答です。基本的に事例攻略のセオリー通りに解けば良いのですが、迷った場合や少しでも自信がない場合は、与件文中の複数のキーワードを盛り込んで部分点を稼ぐのが得策です。

     

    与件文を抜き出す際の留意点としては、ただ単に与件文の言葉を使うだけでは不十分だということです。
    例えば、「売上が向上していないA社の組織上の問題点をあげよ」という設問で、与件文に「A社は事業部間で人員の異動が行なわれていない」と書かれていた場合、そのまま抜き出して解答しただけではダメです。異動が行なわれていない結果、何がおこり、どういう問題が生じるのか、まで書けるかどうかが合否を決めます。解答例としては「A社は事業部間で人員の異動が行なわれず、繁忙期に部署間異動を通じて適切な人員配置ができないため、人手不足の事業部では顧客への十分なサービスが提供できず、売上に伸び悩んでいる。」のように、具体的にどういった状況で、どういった問題が生じているか、まで論理展開しなければなりません。
    もちろん、文字数との兼ね合いになりますので、そこら辺は本試験で臨機応変に対応する必要があります。

     

    さらに、各事例には「助言系」と呼ばれる問題が存在していることに気がつきます。この「助言系」の問題は、文中からただ単に抜き出すのではなく、与件文の内容をヒントにして一次試験の知識を活用して解く問題です。これにはフレームワークが存在し、事例1であれば「○○によって従業員のモラール向上を図る」「○○の人員を増強し、△△できる組織体制を構築する」、事例2であれば「○○に対し、高付加価値である△△に商品を、□□を通じて販売する。それにより、客単価が上がる」のような「誰に、何を、どのように。効果」を基本とし、事例3であれば「○○の一括購入、一括配送の体制を構築してコスト削減を図る」「作業の標準化を実施し、○○面での品質改善を図る」等、です。

    補足ですが、文字数調節として「愛顧:顧客ロイヤルティ」「士気:モラール」のような組み合わせをいくつか覚えておくと、どの問題に対しても文字数ギリギリまで解答欄を埋めることができるようになります。

     


    ■本試験
    本試験会場は武蔵野大学有明キャンパスでした。最寄駅は国際展示場なのですが、豊洲駅からバスで行くことにしました。受験者の方々がゆりかもめやりんかい線を使うと思われるので、混雑していない交通機関を使いたかったからです。バスの方が安いというメリットもあります(笑)。

     

    会場には1時間ほど前に到着したのでトイレに行ったらすでに長蛇の列。暗記試験でもないので気長に待ってて試験部屋に戻ると、まもなく試験官が注意事項を説明し始めました。

    事例1の試験開始とともに、すべての問題用紙の左空欄に大きく「人事」と書きます。問題を解いているうちに組織・人事の視点を忘れてしまうこともあるので、常に「人事」の2文字が視界に入るようにしておきます。
    相変わらず与件に根拠の少ない事例ではありますが、事業多角化によるリソース分散から引き起こされるサービスレベルの低下、ジョブローテーションによる従業員モラール向上、営業を増強するために技術の分かる営業職員の増加、など一次試験の知識をフル活用して解答を記述しました。

     

    事例1が終わって休憩時間。武蔵野大学は1階に芝生の広場があるので寝ころびました。80分×4回の計320分の試験のため休憩時間を使って目と脳を休ませなければなりません。背中を草がチクチク刺してきて痛かったのですが、試験開始ギリギリまで休んで次の事例2に備えました。
    ちなみに試験20分前に着席するよう言われるのですが、これを馬鹿正直に守る必要はありません。そもそもトイレには長蛇の列ができるため、試験終了直後にトイレに向かったとしても20分前までに戻れないことはしばしば起こりえます。ですので、20分前までは普通に休憩し、皆が部屋に戻る頃になってから空いているトイレにお邪魔すると良いです。これでも15分前には楽勝で戻れます。長期勝負に備えてなるべく体力を温存することが大切です。

     

    事例2がはじまって今度は各ページに「マーケ」と大きく記載。この事例が非常に難しく、対象を外さないようにすべての設問に対して多面的解答をしました。というか「B 社のこれまでの製品戦略について、80 字以内で整理せよ。」ってさすがに手抜き過ぎない? 「これまで」ってどれまでだ?? と考えながら次の設問を読んでみると「これまでの製造スタイルを大切にしながら成長を追求していくつもりである。しかしながら、製品アイテムは見直すことを考えている。」との文言を発見! つまり、これまでの戦略には大切にすべき良い点があるが製品アイテムに問題があるんだな、ということが分かりました。あとは、それらを順番に記述するだけ。ふぅ、何とか1問目はクリアできそう。
    事例2では対象を特定することが大切なのですが、与件文に書かれている対象が幅広過ぎてどうやって手をつければ良いのやら…… 取りあえず、対象を味に敏感で健康志向の女性、シニア、外国人、のように与件文に存在する全ての文言を盛り込み、足切り回避に注力しました。
    とにかく与件文を全て使うようにしてY川という使いづらいキーワードに関してもY川と外国人を組み合わせて「外国人に対してY川ツアーとともに工場見学を実施してイメージ向上」のように半ば強引に解答を作り上げていきました。

     

    昼休みは試験会場から少し離れたレストランで食事してリフレッシュ。日曜日のお台場なので周りは家族連れが多く、試験会場から遠かったため受験生っぽい人たちもいなかったので、心身ともに試験から離れられたのは良かったです。食事後、試験開始までは大学内を探検しながら可能な限り頭を休めることに専念しました。部屋に戻るときに喫煙コーナーの横を通ってしまい、少し気分が悪くなったのは失敗でした。どうでもいいことですが、お台場は珍しいポケモンが多く出現するようです。

     

    事例3では「QCD」と記載。今更QCDの説明をするまでもないかもしれませんが、生産管理は「Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)」のそれぞれの頭文字を並べたものです。試験がはじまって解答用紙を開くと…… なんと160字の問題が2問も?! うーん、なんか今年は事例2に続いて問題が雑だなぁ…… と思いつつも、与件を読みながら解くと結構簡単。まぁ簡単って言っても相対評価なのであまり関係ないんですけどね。
    助言系問題に対しては、品質を安定にするために作業の標準化、作業ルールの徹底、予防点検や定期点検。コスト削減のためには生産体制を変えて一括発注、一括出荷、ロットサイズの適正化や内段取りの外段取り化。納期を守るためにはITを活用したSCM(サプライチェーンマネジメント)。こんな感じのキーワードを使って対応していくことになります。

    他に事例3で気をつける点は、中小企業という特性を考えると新設備への投資は基本的に控えるべきです。既存の設備を使えるのであれば、既存のものを活用して生産の効率化等を高める選択をした方が無難です。これは何年か前の「ふぞろいな再現答案」にも書かれていた内容です。
    筆者の受験した年には見事に設備投資をする選択としない選択を選ばせる設問が出題されました。ネット上では論理が通っていればどちらでも正解ではないか? との意見も少なからずありましたが、個人的な意見ではよほど採算が取れるという根拠が与件文から読み取れない限り設備投資は実行してはいけません。
    さらに余談で、事例3は多年度受験生が有利と言われている(?)ので、事例4の次に学習に力を入れるべきなのかもしれませんね

     

    そして最後の事例4――待ってました! この時間になってくると疲労しきっている受験生も増えてくるのですが、その中で私のテンションは上がりまくってました! 簿記1級の該当箇所と意思決定会計講義ノートを完璧に仕上げているので、他の受験生に負けるはずがありません。もちろん目標はノーミスの満点狙いです。
    さすがに事例4でわざわざ「財務」とは書きませんでした。事例4で一番気をつけたのは単位の誤り。計算問題では計算するより前に解答用紙に単位を書くようにしました。例えば、負債比率に決めたのであれば、先に解答欄に「%」を記載するというように。あとは小数点以下何桁目まで解答するのかも気をつけなくてはなりません。あとは「黒字にするためには何個以上売れば良いか」のような問題で、何個の部分をxで置き換えた計算結果で「x≧60.3」となった場合に「61個以上」と解答するところにも注意が必要です。計算問題において小数点が出た際に、四捨五入してしまう人が多いので。
    時間配分に関しては、1つの問題には最大でも配点の2倍の時間(例えば10点問題なら20分で次の問題に移る)しかかけないことを順守。試験時間は配点の2倍の200分もないのですが初めの方の経営分析などは配点が高い割に数分で終わるので、このルールは結構有用です。

     

    初めの財務諸表を用いた経営分析の問題はテンプレート通りに、収益性、効率性、安定性、の3つの観点から解答。次のキャッシュフロー計算書の問題も基礎的な問題。そして次にNPV(正味現在価値)の問題が登場。概してNPVの問題は時間がかかるので後回しにもしようと思いましたが、ここで配点×2倍(分)ルールを適用! で、ソワソワ、ワクワクしながら解いてみると意外と簡単。過去にここまで簡単なNPV計算もなかったような気がします。しかも、途中計算もかけるので答えが間違っても計算過程が正しければ部分点がいただけるという親切っぷりに感動。残念ながら、自分で定めた制限時間以内に解けなかったので計算の途中でしたが泣く泣く次の問題に移ります。
    次は、損益計算書からの限界利益と貢献利益を求めて事業撤退するかどうかを求めさせる問題です。まぁ計算演習しまくってる方々なら「共通固定費配賦額を除いた貢献利益が黒字になって、事業撤退しちゃうと固定費分回収できないっていうアレでしょ?」と、計算する前から結論が見えてるような設問です。数分で完答。
    最後は与件文、問題文の抜き出し問題とCVPの感度分析でした。またもや捻りがない。この損益分岐点を求めさせる問題も計算過程を書かせるという優しさ。本年の事例4の試験委員会は非常に親切でした。個人的には計算過程を書かせるということは非常に良いことだと思います。なぜならば、シッカリ学習してきた受験生がウッカリミスで大きく失点しないため、実力が得点に比例するからです。

    昨年の問題も簡単でしたが、今年はそれ以上に簡単かと思われるくらいで時間が30分くらい余りました。簡単ということはそれだけ勉強してきた人としなかった人の差が顕著になるということですので良問だったと思います。余った時間を使って検算して、単位を確認して、小数点の桁数を確認して、あとは読みにくい文字を書き直したり、句読点を綺麗に書き直したり…… を繰り返しているとそこで試験時間終了を告げるチャイム。

     

    無事に320分の試験が終わりました。手ごたえは大あり。特に事例4で満点近く取れてる自信があったので、かなり高い確率で合格していることを確信していました。唯一の不安要素と言えば事例2での足切りくらいですが、自分が足切りくらうようなら皆足切りくらってるだろうとの楽観的思考によりマイナス思考を払拭しました。

    帰りは夜の晴海を眺めながら豊洲駅まで歩きました。あ、ここが地下空洞で話題になった豊洲市場か。

     


    ■総評
    中小企業診断士試験は決して簡単ではなく、むしろ難関試験に分類されるでしょう。が、万人に受験してもらいたい試験です。何より試験勉強が面白い。あと、二次試験にはモデル企業があるようですので、様々な企業の実例を垣間見ることができるため、経営に関わっている人には多くの成功事例を蓄積できるという利点があります。

    最後になりましたが、以下が筆者おススメ書籍のまとめです。「事例攻略のセオリー」と「ふぞろいな再現答案」の年度を被らせないことを推奨します。「中小企業診断士2次試験 ふぞろいな再現答案3」には2年分掲載されているため、事例攻略のセオリーと合わせて合計3回分の演習ができることになります。初めの方に書きましたが、事例マラソンなるものを実践されている方もいらっしゃいますので、その方々と比べれば使用する書籍数は少ないように思われます。しかし、多年度受験生ならまだしも初年度に合格しようとする方々には限られた勉強時間しかありません。少ない事例を深く研究して本試験に臨まれてはいかがでしょうか。
     





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    | katekyonet | 資格勉強 | 22:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    プログラミング教育について 〜学ぶべき理由とは〜
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      ■はじめに
      近年、プログラミングを学ぼうとしている人が増えているようです。学校内での教育だけでなく、専門塾までも開校されています。
      今回は、プログラミング教育のメリットとデメリットについて書きたいと思います。

       

      ■プログラミングとは
      プログラミングとは"コンピュータプログラムを作成することにより人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為である"と、Wikipediaに説明されています。これではちょっと分かりにくいので、まずはプログラミングの説明から入りたいと思います。

      一般的なコンピュータは人間の言葉を理解できません。コンピュータが理解できるのはプログラミング言語のみです。最近のコンピュータにはSiriなどの機能がついていて人間の言葉を理解してくれるものもあります。今はそれを無視してください(実は、それらの音声認識もプログラミングによって実現されているのですが)。
      そこで、コンピュータに何か仕事をしてもらう場合には、コンピュータが理解できる言語を用いなければなりません。それがプログラミング言語です。日本語の分からない海外の人に日本語は通じないため、相手の言語を話す必要がありますよね? こちらが相手に何かを伝えようとした場合には相手の言語を用いなければならないことと同じです。

      "コンピュータプログラムを作成することにより人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為"とは"コンピュータの理解できる「プログラミング言語」を使って、自分がして欲しい仕事をコンピュータに依頼すること"ということです。


      ■プログラミングの種類
      先ほどプログラミング言語について説明しましたが、プログラミング言語の数だけプログラミングの種類が存在します。C言語、Java、Ruby、PHP、Pythonなどなど…… どうしてそんなにたくさん存在するの? と疑問に持たれるかもしれませんが、我々の世界にも日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語等、複数の言語が存在します。それらは文化に密着して作られました。文化とは人間たちが生活しやすいように作り上げられたものです。換言すれば、その地に住む人たちの用途に合わせて進化したものともいえます。それぞれには得意分野と不得意分野があります。文法に関しては日本語は簡単だが、読み書きは難しく、逆に英語は読み書きは比較的簡単だが、その分文法が難しいなど。
      プログラミングも同じで個々の文化によって種類が分けられており、それぞれの得意分野と不得意分野があります。具体的には、C++と呼ばれる言語は多言語に比べて比較的処理速度が早く、コンピュータの奥深くまで操作することが出来るので組み込み型の製品に使用されます。一方で、Javaと呼ばれる言語は処理速度はC++ほど早くはありませんが、複数人で行なう大規模作業に適しており、大規模システムに使用されています。

      プログラミングを学ぶ場合には自分の目的に応じて適切なプログラミング言語を選択することになります。


      ■プログラミングで何ができるの?
      プログラミングを学んで何ができるのか、はこれからプログラミングを学ぶ方にとっては興味深い内容だと思います。結論を言いますと、プログラミングを使えば基本的に人間のする作業であれば全てできます。この世の中にはウィザードと呼ばれるスーパープログラマーが約1,000人存在すると言われており、彼らはプログラミングを使って何でも作ってしまうようです。それがまるで魔法のように見えるのでウィザード(魔法使い)と呼ばれています。

      また、プログラミングによって自分自身の分身を作ることも可能です。前述したように、人間のする作業はすべてできます。特に、コンピュータは単純作業、反復作業が得意です。そこで、本来自分がやらなければならない退屈な単純作業、反復作業をプログラミングをすることでコンピュータに依頼でき、自分自身の自由な時間が作れます。

      将来たくさん働きたい人にとっても、楽をしたい人にとってもプログラミングは有益です。


      ■プログラミングができる人にお願いすればいいんじゃないの?
      世の中にはプログラミングを書ける人がそれほど多くはなく、習得に少々時間を要することから、プログラミングの作成を依頼する人が多々おります。しかし、プログラミングができない人が効率よく仕事の依頼をできるでしょうか?

      筆者は、実務でプログラミングを書くことが多く、他人から依頼されることも多いのですが、プログラミングができる人とできない人の依頼の仕方には大きな差があります。
      できる人は、何が簡単で何が難しいかを理解しているため、依頼内容が非常に的確になる傾向にあります。そのため、無理なスケジューリングを設定せず、作成するプログラミングも詳細に説明してくれるため、場合によっては短期間で作業が完了することもあります。一方、できない人からの依頼は非常に難しい。概してできない人は完成形の機能から作業量を見積もる傾向にあります。そのため、プログラミングで実装するのが難しい機能であっても簡単だと誤断し、スケジューリング設定などでしばしばトラブルが生じます。その結果、開発が長期間に渡り依頼料が膨大になることもあるし、最悪のケースでは依頼自体が途中で反故になることもあります。

      将来的にプログラミングの作成を依頼する立場につくつもりならプログラミングの習得を推奨します


      ■どのプログラミング言語からやったらいいの?
      先ほど各プログラミング言語にはそれぞれの得意分野があると説明しました。ですので、目的に応じたものを学ぶのが良いと思います。しかし、プログラミング言語には比較的習得の困難なものから容易なものまで幅広くあります。
      筆者は、はじめ大学の研究室にて高速計算をする必要があったためC++からはじめました。このC++という言語はプログラミング言語の中でも非常に難しい部類に分類されるため、筆者は見事に一度挫折を経験しました。その3年後にウェブページを作りたいと思って手をつけたのがPHPと呼ばれる言語です。
      PHPは、軽量プログラミング言語(lightweight language)と呼ばれる比較的習得が容易なプログラミング群に分類されます。書店にある参考書などもC++と比べて簡単なものも多く、簡単に作りたいものが作れました。初めて自分の動かしたいものを自分で作ることができたため、ここで初めてプログラミングの楽しさを知りました。
      一度プログラミングが書けるようになると、基礎が分かり、モチベーションも上がるため、その後Java、C++と勉強を進めても挫折する恐れは極端に減ります。実際に、筆者は現在ではJavaを使って個人でAndroidアプリの開発をしていますし、業務でC++を使用しています。

      よほどプログラミングを学ぶ意識が高ければ目的にあったものを、そうでなければ軽量プログラミング言語から学ぶことを推奨します。どの軽量プログラミングにするか迷った場合は、RubyかPHPをお勧めします。これらは多くのシステムで使われているため、将来仕事で利用する可能性が高いからです。特に、グローバルで活躍したいのであればPHPを習得するのがベターです。例えば、faceboodは当初PHPで開発されていました。Rubyは国内で作られたという経緯があるため、日本では多く使われていますが、世界的にはまだPHPの方が主流だからです。また、RubyはPHPと比べて多少堅いという特徴があります。PHPは初心者が自由気ままに書いても動いてくれますが、Rubyにはある程度守らなければならない作法があります。

      以下のサイトにおいてもPHPをまず学び、その後にRubyなどの他言語を学んだ方が良いと紹介されています。

       

      参考URL:『WebプログラマーとしてPHPは必須、でも他言語できないと厳しくなる』

       

      ■最後に
      以上のようにプログラミングの必要性は非常に高く、年々世界的にも需要が増えています。ただ単に就職のために学ぶというのも良いかもしれませんが、やはり自分自身がプログラミングを必要と感じて学習する方がスキル向上も早く、長続きもするでしょう。プログラミングは日々進化を遂げており、プログラミングでできることは未知数です。将来大きなことを成し遂げたい人も、楽をしたい人も、自分自身の分身を作るため、と考えて取り組んでみてはいかがでしょうか。

       

      以下の書籍は筆者がはじめてPHPを学んだ時に使用した入門書です。HTMLとCSSを絡めて学べるので、ウェブページなどを作成したい方には特にお勧めです。はじめは簡単な画面への出力、そして最後の方ではツイッターの作り方まで載っています。入門書でプログラミングの面白みを感じたら次のステップへ。まずは1冊を仕上げ、その後に中級者向けの書籍に進んでください。
       




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      | katekyonet | 教育 | 16:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      ITの果たすべき役割
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        JUGEMテーマ:ビジネス

        JUGEMテーマ:検定試験にむけて

         

        ■はじめに
        本記事は、主に企業においてITを利用した戦略立案をする方やITを導入しようと考えている方を対象としています。実務以外ではITストラテジストをこれから受験しようとしている方にも役立てればなと思います。

         

        近年、業務効率を容易にできるようなサービスが増えており、以前と比べて社内システムの構築が格段に容易となりました。ホームページを作成するのであればホームページビルダーやWordPress、管理システムにおいてはJoomlaやSalesforceなどが有名どころでしょうか。これらのツールは、数年前では何百万円もかかっていたIT構築費用を大幅に削減してくれるため、IT業界を中心として多くの企業に導入されています。

         

        現代社会をみれば分かる通り、この世の中の仕事が徐々に自動化されてきています。自動販売機、駅の改札、セルフレジが実用化されており、更には今後、自動車の運転もオートメーション化されようとしています。これらに共通するのは考える必要がないもの、すなわち人間が作業する必要がない仕事が機械に取って代わっていることが見て取れます。
        以前からITの発展によって人間の仕事はなくなっていくと言われていましたが、依然としてそれが実現していないのは、ひとえにIT化を推進していない企業が多いからでしょう。

         

        IT化を推進した企業は目覚ましい成長を遂げています。コカ・コーラ、マリオット、DELL、ボーイング、モルガンスタンレー、メリルリンチなど、その例を挙げたらキリがないほどです。24時間無休で働いてくれるコンピュータは、コスト削減のみならず売上の向上にも一役買ってくれるため、組織にとって大幅な利益増加をもたらす有効な手段となるのです。

         

        筆者はITエンジニアとして複数の企業を常駐した経験がありますが、これほどまでITが有用な手段にも関わらずExcelで管理している企業が多いことに驚きました。Excelならまだしも紙の書類で管理している企業もしばしば。特に紙の書類なんかは早急にシステム化されるべきです。

         

        ITに馴染みのない方々は、ITシステムが有用と言われても、具体的にどのように役立つのかはイメージしづらいかと思います。本記事では、社内管理システムの目的やコスト削減や売上増加に代表される効果について分かりやすく説明しようと思います。

         


        ■社内システムの目的
        会社にとって重要なものはいくつか考えられますが、そのうちのひとつは利益でしょう。利益とは「売上−費用」の式で表せるように売上と費用から成り立ちます。そこで、費用を削減することと、売上を上げること、の2つのアプローチが考えられます。

         

        ITを使うことで社内の事務作業が激減し、紙などの資源の消費が減ることで会社の経営にプラスとなります。
        しかし、ITがもたらしてくれるのはコスト削減だけではありません。むしろコスト削減以上に売上増加に役立ってくれるのです。近年、SalesForceが急激な成長を遂げましたが、まさにITの戦略的利用に目をつけたからに他なりません。

         


        ■社内システムの効果 〜コスト削減〜
        代表的なコスト削減は社内の書類整理でしょう。プリンタを使用することによって、トナー、紙代金などの変動費がかさむことになります。打合せ資料のためにモノクロならまだしも、片面印刷のカラーコピーを大量に印刷するとなると資料準備だけで数千円になることも多々あることでしょう。
        そこでプロジェクターを利用したり、事前にメールにて資料を添付したり、社内共有フォルダに資料を配置したりすることが考えられます。プロジェクターの代わりに、大画面のモニタを購入し、パソコンとつなぐことでパソコンの画面を皆に共有する方法をとることもできます。
        毎週打合せをするのであれば、これによって年間数万円あるいは規模によっては数十万円、数百万円のコスト削減効果が期待できます。

         

        また、ITを利用することで勤怠管理、経費申請、日報や週報などの事務管理が簡易になります。
        多くの企業では、毎月の勤怠情報などを紙に印刷し、押印をした上で事務に提出しております。経費申請も申請ごとに上長の承認を得ていることも多いかと存じます。これらの作業は前述した印刷の無駄という他に、各人の作業コストが発生してしまいます。

         

        IT化の進んだ企業では、勤怠管理をWebシステムで実施しており、システム上のボタンクリックで申請から承認まですべて可能になっています。自宅や出張先からも容易に申請等ができるため、各人がわざわざ本社に出向く必要がありません。

         

        企業において人件費は大きな負担となります。そこで、ITを利用することで極力人間のする作業を減らし、従業員には利益をもたらす作業に注力していただくことは会社経営にとって大きなメリットとなります。

         

         

        ■社内システムの効果 〜売上増加〜
        次は売上増加についてです。
        近年は、ITを利用したマーケティング分析が非常に増えています。紙やExcelで管理している企業の多くは、1回のアンケートで利用した情報は、その直後のマーケティングには利用することはあるのですが、数か月後にはアンケートで集めた情報は忘れ去られ、2度と使われることがないのが実状ではないでしょうか。
        なぜそのような状況になるかというと、毎回アンケートなどの情報を蓄積しているうちに使用している書類やファイルが多くなり過ぎます。その結果、どこからどの情報を引っ張ってくれば良いかが不明となり、収集・分析する手間が非常に多くなってしまいます。
        目当てのファイルが見つかったけれども、Excelのシート数が多過ぎたり、データ量が数十万件にも膨れ上がってしまったためにファイルを操作する動きが遅くなり、分析を断念した経験がある人も多いのではないでしょうか。
        そのようなデータは死んでいるも同然です。

         

        それでは、そのデータを死んだ状態にせず、生きたデータにするにはどうすればよいでしょうか。
        それは社内のデータをすべてシステムで一元管理し、すべての従業員が自分の端末から必要な情報を、必要な時に、容易に入手できるようにすれば良いのです。そのためにはすべてのデータを紐づける共通のキーを設定し、そのキーからすべての情報に直接的、または間接的にアクセスできるようにしなければなりません。

         

        具体的には、顧客を中心とした企業であれば、最初に顧客マスタを作成して各顧客に一意のキーを採番する。そして、顧客名から蓄積されたすべての情報を取得できるようデータベースを設計するのです。それによって、過去1年以内に見積もりをした顧客や失注した顧客などを選別することが容易になります。

         

        システム化の素晴らしい点は、集計やソートが容易にできる点です。
        特定の期間における売上の高い順に顧客を並び替えしたり、特定の商品を集計することで売れ筋などを把握することができます。それによって見込み客の特定や需要予測ができるようになり、今後の販売戦略に生かすことが可能になります。

         

        冒頭で紹介したパソコンを主力製品としているDELLコンピュータは、ITを利用した受発注システムを構築しています。DELLを公式ホームページから買おうとすると、細かくカスタマイズできることが分かります。にも関わらず、パソコンを注文してから手元に届くまで数日以内ということがあります。
        これは見込生産できる部分を限りなく完成品のそばまで近づけて、受注されてから組み立てする部分を極力少なくすることで消費者に届けるまでの時間を可能な限り短くしていることによります。

         

        見込生産で製造する半製品と、最終組立を行う受注生産の分岐点のことをデカップリングポイントと言います。DELLは、デカップリングポイントを限りなく完成品に近い側にすることを実現していますが、これにはITを駆使したデータ蓄積が必要とされています。
        長年溜め続けたデータによって、どの地域で、どの時期に、どのような色の機種が売れ、どのような機能を持ったパソコンが売れやすいかを把握できるため、それに基づいた見込生産が可能になります。もちろん消費者がカスタイマイズ情報を入力してから生産の現場に最速に届く仕組みもITによって実現されています。

         

        ここに示したのは売上増加利用の一例ですので、他にも各企業が独自のIT利用によって売上を上げている手法は多々あります。それらについては本記事の最後で紹介したいと思います。

         


        ■最後に
        IT投資を無駄だと考えている企業も多いと聞きます。しかし、これまで説明してきたようにITに投資しないことは、本来得られるべき利益を損失していることと同義です。もちろん資金に余裕がなく、システムエンジニアがいない会社がすぐに社内システムのIT化を推進することは難しいでしょう。その際には、将来IT化することを考慮して、出来る限り書類管理を無くし、パソコンの中でファイル管理することを意識し、できればデータベース化しやすいようにファイルのフォーマットを考えることが肝心です。

         

        以下の書籍「思考スピードの経営」には実在する巨大企業がどのような社内システムを導入しているかを、著者であるビル・ゲイツの考察とともに読むことができます。ビル・ゲイツはマイクロソフト社に「デジタルナーバスシステム」と呼ばれる社内情報を共有できるシステムを構築することで、社員が頭を使う仕事に注力できるようにしている旨が書かれています。
        従業員が自分の勤怠状況や会社の売上等、社内の情報を集める際にもITを活用して従業員全員が自分の端末から欲しい情報を欲しい時に即座に入手できる状態にしておけば、資料を歩き回って集める必要もなく、従業員が頭を使う仕事に集中できるということも記されています。

         

        本書籍は、社内システムの参考にするのはもちろん、ITストラテジスト試験などで論文ネタが思いつかない人にもお勧めの1冊です。

         

         




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        | katekyonet | ビジネス書 | 15:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        他人は変えられない 〜自己研鑽することの大切さ〜
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          JUGEMテーマ:教育

           


          「人間関係が面倒くさい」
          「あの人は自分のことをどう考えてるんだろう」
          「どうしてあの人はあんなことを言うんだろう」

          こんな心配を抱いたことがあるだろうか?

          本記事は、そんな心配をしている方の不安を少しでも取り除く力になれたらと思う。


          ■どうして他人が気になるの?
          他人が気になる最大の理由は「自分を良く見せたいから」と言われている。「悪く思われたくない」「否定されたくない」「叱られたくない」――このような逃げの感情、すなわちマイナス思考を払拭したいという願望から、自分自身の気持ちを押し殺してまでも他人からの評価を得たいと思ってしまうようだ。

          人間は周囲の環境とは切っても切り離せない関係にある。大昔は違かったかもしれない。自分で野菜を育てて、動物を狩り、魚を釣って食べる。衣服も樹皮や草、獣や魚の皮を繋げて作っていた時代だった。しかし、現代ではそれはほとんど不可能になっている。様々な規制に縛られてしまい、勝手に動植物を採取することはできないし、変な服装をしていたら警官に呼び止められて厳重に注意されることだってあり得る。つまり、社会のしがらみが多いのだ。

          そんな現代では他人との関係は無視できないものとなっている。自分勝手に生きていては嫌われてしまう。逆に、他人に良くしていればいざとなった時に助けてくれるかもしれない。そんな経緯もあって現代人には他人の目を気にする人が多いのだろう。

          他人が気になるのであれば、どうしたら良いのだろうか。


          ■他人を変えられればいいのに……
          絶対にそんなことを考えてはいけない。他人を変えようとして不幸になるのは他でもない自分自身だ。時として、変えようとした他人さえも不幸にしてしまう最悪な手段だ。

          さて、あなたが楽しくゲームをしていたとしよう。そこで周りから「そんなことやめて、早く読書をしなさい!」と言われたらどう思うだろうか。素直に納得して読書をはじめる人もいるかもしれない。しかし、ほとんどの人は不満に思いながらも渋々読書をはじめるか、無視してゲームをするか、反抗するか、のいずれかであろう。

          この状況は誰一人得をしていないことに注意してもらいたい。いや、得をしていることがあるとすれば、それは「読書しなさい!」と言った人が他人を支配できたという達成感だけだろう。そんなのには何の意味もない。大事なのは、読書させることではなく、言われた本人が自分で読書が必要だと価値観を納得することだからだ。

          他人を変えようとしてもお互いの関係が悪化してしまうことにお分かりいただけたであろうか。もしかしたら他人を変えることは可能かもしれない。しかし、他人を変えられたとしてもそれには多大な労力を要し、よしんば変わったとしてもそれが本当に他人のプラスになることかどうか分からない。将来ゲーム関連の仕事をしたいと考えている人であれば、読書よりもゲームをすることの方が役に立つことだって考えられるからだ。

          他人が気になるのに、他人は変えられない。それじゃあ泣き寝入りして他人に合わせるしかないのだろうか。これは困った。


          ■人を見る目を養うという選択肢
          他人を変えられないことに気がついた人が次に辿り着く1つの選択肢は、だったら自分にとってプラスになる人と付き合えばいいだけだろう、という考えだ。

          多くの人は、直感で人を判断する。いわゆる第一印象(ファーストインプレッション)というやつだ。しかも厄介なことに、この第一印象は余程のことが無い限り覆すのは難しい。
          「良い人だと思ってたのにこんな酷い人だとは思わなかった」「無口だと思ってたのにおしゃべりだった」「出来る人だと思ってるのに残念だ」――あなたは他人と長らく生活してみて、こんな感情を抱いたことはないだろうか。そこで憤りを感じる人もいるだろう。そこで悪い人間関係に巻き込まれてしまって最悪だと考えるかもしれない。しかし、それは相手としては迷惑この上ない話だ。なぜなら、勝手に自分のイメージを作り出されて、それと異なっていたという理由で不機嫌になられるのだから。

          この第一印象による弊害は、人を見る目を養うことで回避できる。
          残念ながら、人と会っただけでその人となりを完璧に把握するのは不可能だ。それは実社会に目を向ければ分かることである。ほとんどの企業は人材募集において面接という手段をとっている。そして5月病という用語があることからも分かる通り、当初マッチングしたにも関わらず、企業側はすぐに辞める人間だということを見抜けないのだ。


          ■人を見る目を養う方法
          人を見る目というのはただ単に人生経験が長いというだけでは身につかない。PDCAサイクルを回すことで養うことができる。PDCAを知らない方はインターネットで調べると良い。

          第一印象でその人を決定づけるのではなくまずは、きっとこういう人だろうな、と相手の人間像を予想する(少し強引だがこの予想がPDCAのP(計画)に対応)。そして、実際に少し生活してみて(D)、その人を再認識する(C)。もし予想と違っていたらイメージを修正する(A)。そして再びその人を予想し直す。

          再認識の過程で確認すべきなのは、その人の言動と行動だ。言動の捉え方は、その人のイメージに左右されることが多い。あなたのイメージを通じたその人の言動と、実際にしたその人の行動が一致しているのか確認するのだ。一致しているのであれば、もう少し生活してみて、再々認識する。これを1年くらい続けて問題なければ、あなたのイメージ通りの人だったということだろう。これを継続することで徐々に第一印象で人を見分ける力がつくはずだ。

          以上の方法により、人を見極める力がつくことで付き合う相手を選別することが可能になる。くだらない人間関係に巻き込まれる恐れは激減するだろう。が、これにも問題がある。人を見る目というものは養うのが難しく、今まで説明してきた通り少々大変だ。


          ■そこで自己研鑽の出番!
          初めに、他人が気になる最大の理由は「自分を良く見せたいから」と説明した。そう思う最大の原因は、自分に自信がないからだ。だとすれば、自分が変わってしまえばいい。もう他人を変えたり、見極める必要もない。

          経営コンサルタントとして有名な大前研一は、人が変わる方法は3つしかないと主張している。
           1.時間配分を変える
           2.住む場所を変える
           3.付き合う人を変える


          これら3つをひとつずつ変えていく必要はない。全部一気に変えてしまえば良い。その方法が自己研鑽だ。今回は自己研鑽の中でも資格勉強にしぼって議論を進めていく。もちろん運動でも音楽でも何でも置き換えられるので、あなたの状況にあてはめて以下読み進めてもらいたい。

          1つめの時間配分。
          自己研鑽をするようになると時間配分は自然と変わってくる。電車の中で勉強するようになるだろうし、風呂の中にも参考書を持ち込むようになる。帰宅してからテレビを見る時間を勉強にあてるようにもなるだろう。
          勉強時間を確保するために、仕事を早く終えるように思考した結果、タスクの優先順位をつけられるようになるかもしれない。

          2つめの住む場所。
          勉強するようになると自宅から離れるようになる人も多い。筆者の場合は、図書館や自習室に入り浸ることが多い。休日は一日中そこにいることもしばしば。図書館や資格学校の近くに引っ越してしまっても良いだろう。

          3つめは付き合う人。
          試験日が間近に迫ると、居酒屋で遊び呆ける仲間と一緒にいる時間が減って、その代わりに勉強を教えてくれる仲間、一緒に勉強する仲間、との時間が増える。資格勉強での勉強会などに参加すると、普段で会えなかった人と出会うことにもなる。

          このように自己研鑽することで簡単に自分を変えることができるのである。


          ■最後に
          結局、他人のことなんて気にしないで自分自身を変えることが一番なのだ。自己研鑽をすることで人はどんどん成長できて、付き合う相手も勝手に変わっていく。他人のことなんて一切気にする必要はなく、自分に合う人間が自然と向こうから近寄ってきてくれる。これはただ単純に自分が努力すればいいだけの話だ。自己研鑽が素晴らしいのは、他人が気にならなくなることだけではなく、人間関係も非常に良いものとなっていく。

          筆者も以前は人間関係を自分から構築しようと躍起になっていた時期があった。しかし、人間というものは不思議で、自分から求めると逃げて行ってしまい、求めなければ近寄ってきてくれる。その結果、今では、自分から追い求めて関係が続いている人は1人もいない。いたとしてもほとんど疎遠になっているため赤の他人同然だ。逆に、何も考えずに自然に付き合うようになった人とは長く続いている。

          是非とも皆さんは他人を変えるという不毛なことをせずに、自分自身が成長する選択肢を選んでもらいたい。




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          | katekyonet | 教育 | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          「機会」に「強み」を乗せるということ 〜中小企業のためのSWOT分析〜
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            JUGEMテーマ:教育

            JUGEMテーマ:ビジネス

             

             

            ■はじめに
            今ではSWOT分析という言葉をよく聞きます。しかし、SWOT分析を正しく使えている人はどれほどいるでしょうか? 本記事では物語を用いて、主に中小企業のSWOT分析の使い方に絞って説明していきます。

            SWOT分析とは、企業の経営者が意思決定をする際に使うフレームワークのことです。フレームワークとは、特定の事柄だけでなく、幅広く一般に利用することができる共通の考え方のことです。

            SWOT分析を説明している書籍やホームページは数多いのですが、本記事では中小企業にとってのSWOT分析に絞って説明していきます。実は、SWOT分析というものは企業の成長段階によって使用方法が異なり、大企業と中小企業のそれとでは全く違います。

            とは言っても、いきなり中小企業のSWOT分析の応用を説明してもついて来られない人も多いでしょう。そこで、はじめに簡単にSWOT分析とは何か、というところからはじめたいと思います。もちろん、SWOT分析をご存知の方は読み飛ばして「■中小企業のSWOT分析」から読んでいただいても構いません。


            ■SWOT分析
            SWOT分析とは、前述した通り、意思決定におけるフレームワークです。
            SはStrength(強み)、WはWeakness(弱み)、OはOpportunity(機会)、TはThreat(脅威)の頭文字を繋げてSWOT(スウォット)分析と呼ばれます。

            特に「強み」と「弱み」は内的要因、「機会」と「脅威」は外的要因、といい、前者は企業自身がコントロールできる範囲、後者は企業自身ではコントロールできない企業を取り巻く環境のことです。例えば、高い研究開発力は強み、知名度の低さは弱み、需要の波は機会、不景気は脅威、というように。この例からも分かるように強みと弱みは自身でコントロール可能な一方、機会と脅威はコントロール外にあるといえます。


            ■中小企業のSWOT分析
            さて、それでは中小企業のSWOT分析の活用法について論じていきます。
            基本的に中小企業ではSWOT分析の4つの要素(強み、弱み、機会、脅威)の中から2つしか考えません。それは「強み」と「機会」です。機会に合わせて強みを生かすという戦略を採用するのが最適であり「機会→強み」の順に分析する流れになります。

            そんなこと言わずに4つ全てを考慮したらどうか、と反論する人もいるかもしれません。しかし、中小企業は一般的に経営するための資本が不足しています。人においても従業員が限られているし、金においても資本は限られています。そのため、4つの要因すべてに投資することができないのが実状です。
            まず「脅威」を回避する術は中小企業には極めて困難です。大企業等ならまだしも、影響力の少ない会社が周囲の環境を変えることはほぼ不可能なのは容易に想像できるでしょう。
            一番厄介なのは「弱み」の優先順位が低いことの理解です。弱みの克服は強みの強化と比べて難しく、弱みを克服することによる効果は強みを強化することによるそれと比べて薄いのです。

            以上の内容を文章だけで理解することは容易ではないでしょう。そこで、今回も太郎君を主役とした物語で説明していきたいと思います。


            ■物語スタート

            ◇機会
            「最近楽しいことがないなぁ……」
            太郎君はぼやきました。
            太郎君は何でもできるような完璧超人ではありません。勉強は全般的に得意。スポーツに関しては得意なものはそこそこですが、苦手なものは全然できません。

            太郎君はちやほやされるのが大好きです。前回の中間テストでは問題の把握と適切な課題設定、そして具体的な対応策を練ることでクラス順位3位という素晴らしい結果を残してちやほやされましたが、それもすでに過去のこと。そこで、次にちやほやされるような大きなイベントがあるかどうか探ることにしました。

            思いついたが吉日。太郎君は早速先生に今後のスケジュールを伺いに職員室に向かうことにしました。クラスメートの雑談の聞こえる教室を後にすると、ペタペタと上履きの踵を踏みながら誰もいない静かな階段を一段一段上がっていきます。そして最後の一段を上り終えた後、右足でつま先立ちをして、右手の人差し指と中指で靴の踵を起こしてゆっくりと足を入れました。右足でトントン床を鳴らして履き具合を整えた後、左側も同様に履き直します。
            少し歩いて突きあたりを右側に進むとすぐに左手に扉が現れました。太郎君はそこで大きく深呼吸しました。普段は近づかない特別な部屋――職員室です。平常より早い心拍数を少しでも和らげるようにもう一度大きく深呼吸して、横開きの扉を一気に開けました。
            「失礼します!」
            元気よく声を上げてから、首をゆっくりと右に動かして担任の鈴木先生を探します。奥の窓際に黒縁眼鏡のスーツを着た男教師を見つけると、太郎君は部屋の中に右足を踏み入れました。

            「どうしたんだ? 太郎君」
            そう言いながら、鈴木先生は足を組んだままキャスターつきの回転椅子に座ったまま太郎君に向き直ります。
            眼鏡の奥から見える切れ長の目が真っ直ぐに太郎君を見据えます。その視線に太郎君は多少たじろぎながらも口を開きました。
            「鈴木先生。今後のスケジュールについて伺いたいんです。中間テストは終わってしまったので、そういう学校行事は直近で何かありますか?」
            すると顎に手を当てて鈴木先生は考え込んだ後、机の上に揃えられたバインダーから1つ抜き出して開きはじめました。パラパラめくって今月のカレンダーページで手が止まりました。それをジッと見つめてから
            「今月の終わりに球技大会があるな」
            鈴木先生がページをめくって次の月に進むところで太郎君が質問を投げかけます。
            「球技大会ってどんな種目があるんですか?」

             

            機会「球技大会が開催すること」


            ◇強み
            太郎君は職員室に来る時よりも大きな足音を鳴らしながら教室に帰りました。廊下に差し込む強い日差しがまるで太郎君の心に呼応したように燦燦と廊下を照り付けます。教室に戻って席に着くと、いつもと違って部屋の中が明るく感じました。

            机の中からノートを出してから早速、鈴木先生の話しを思い出して書き綴ります。
            ――野球、バスケットボール、サッカー。
            それが球技大会の種目でした。
            この中から自分が参加するスポーツをひとつだけ選んで参加することになります。そこで太郎君は、気分に任せて漠然と決めるのではなく、ひとつずつ分析することにしました。

             

            まずは野球。
            太郎君は今までまともに野球をやったことがありません。小さい頃にお父さんにバッティングセンターに連れて行ってもらった記憶があるくらいで、それ以来バットを掴んだこともありませんでした。

             

            次にサッカー。
            小学生になった時から少年サッカー団に入っていましたので野球よりは自信があります。ボールの扱いには慣れていますし、ロングパスでもある程度正確に出すことができます。しかし、太郎君が得意なポジションはディフェンスでした。重要なポジションであることには間違いありませんが、お世辞でもちやほやされるポジションではありません。取りあえず保留にして次の種目を考えることにしました。

             

            最後にバスケットボール。
            友達と頻繁に遊んでいるスポーツです。ルールは分かっていますし、レイアップシュートはほとんどミスすることなく入れることができます。フィールドに上がる人数が5人と非常に少ないため目立つこともできるところに太郎君は目をつけました。サッカーで地味に活躍するよりもバスケットボールで活躍する方がちやほやされそうだと考えました。

             

             

            以上から、太郎君はバスケットボールを選択することに決めました。
            しかし、太郎君の欠点は体力。並みのプレイヤーの持久力はありますが、1試合をフルで走り続けることはできません。バスケットボールはひとりで攻防ともにやらなければならく、ずっと走り続けなければなりません。また、太郎君はシュートが得意なのですが、さらに活躍するためにはシュートの精度を上げる必要があります。球技大会まで1ヶ月。太郎君は自分の得意なバスケットボールに注力し、特に自分の強みであるシュート力をさらに伸ばすことに決めました。

             

            強み「バスケットボール。特にシュート力」

             

            ◇エピローグ
            1ヶ月後。球技大会という機会に、自分の強みであるバスケットボール、特にシュート力を高めることで球技大会では大活躍できました。体力づくりもしていましたが、中々短期間で克服することは難しかったため、フルタイムで試合に出ることは叶いませんでした。が、限られた時間の中で見事にシュートを入れまくることに成功し、スリーポイントシュートも多く決めることができました。
            しかし、バスケットボールはチームスポーツ。残念ながら決勝戦でバスケットボール部が多く所属しているクラスに負けてしまいました。
            大会の表彰式では、全プレイヤーの中で一番得点したベストシューターとしてMVPを取ることができました。


            ■最後に
            何度もできる人ならともかく、ほとんどの人は何でもできるわけではありません。しかし、何でもできる人でなくとも機会を見逃さず、その機会に対して自分の得意なことを絞って力を入れれば、突出することが可能です。

            これは、実際のビジネスにおいても同じです。
            資金も人材も豊富な大企業と違って、中小企業は限られたリソースで戦わなければなりません。そんな中小企業が周囲との差別化を図る最良の手段は、脅威を避けたり、弱みを克服することではありません。機会に強みを生かすことで差別化を図ることができるのです。

            あなたが学生にしろ、中小企業の経営者であるにしろ。もしも活躍したければ、周囲の流れやイベントを注意深く観察すること。そして、自身のアンテナに引っかかるものがあったら、自分を分析し、生かせる強みを発見し、それを他の誰にも負けないようにさらに伸ばすこと、が大事なのです。

             




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            | katekyonet | 教育 | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            速読の種類と習得術
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              JUGEMテーマ:参考書
              JUGEMテーマ:速読

              学習効率を上げるために速読の仕方について教えてほしいとの連絡をいただいたので、今回は速読をテーマとする。
              まず、速読を習得した場合の効果について説明する。よく勘違いされるのは、速読ができることによって国語のテストなどで点数が上がると考える人が少なからずいるようだ。しかし、速読ができることによって国語力が上がることはほとんどない。速読とはあくまでも文章を早く読めることを可能にする手段でしかないので、国語力が上がるわけではない。国語力とはすなわち論理力だ。文章として書かれていることを論理的に読み取って、そこから帰結される結論を導くものである。つまり、文章を早く読めるからといって文章読解力が上がるわけではない。

              さらにいうと、速読ができるようになり、論理力が高まったとしても、読解スピードが上がるわけではない。読解スピードを上げるためには、高い情報処理能力が必要となる。そこで、速読で読み取った文章を頭の中で素早く整理する力を向上させる必要がある。つまり、速読で基盤を作り、論理力を向上させ、情報処理能力を高める、というステップを踏むことで真に読解スピードを向上させることが可能となる。論理力および情報処理能力の向上については、機会があったときにでも記事を書こうと思う。

              閑話休題、速読の話に戻ろう。
              さて、今までのことを理解した上で以下文章を読み進めるということは、速読を学ぶ気があるということだろう。初めて速読を学ぼうとする人には、まず速読の種類から説明したいと思う。実は、全員が全員同様のやり方で速読をしているわけではない。
              筆者が考える速読術には「フォトリーディング」「ブロック式」「結論主導型」「単純速読」の4つがある。フォトリーディング以外は一般名称ではないため、他の人に話しても通じないかもしれないが。
              以下順番に説明していく。


              ■速読の種類
              ●フォトリーディング
              フォトリーディングとは、文字を文字としてではなく画像として認識する方法だ。速読というジャンルに含まれないという人もいるが、文章を早く読める方法ということで本記事では速読に含めることとする。
              他の速読法との大きな違いは、読んですぐにその内容を理解できない点だ。フォトリーディングの場合は。脳の中にイメージを残し、そのイメージの中から適宜必要な情報を取り出すことになる。つまり、文章をすべて読んだとしても自ら取り出そうとしない情報以外は抜け落ちることになる。
              また、習得にはある程度のセンスを要する。イメージ化が苦手な人には難しいかもしれない。

              フォトリーディングは、ある程度知識が豊富な事柄について、膨大な書籍の中から欲しい情報を抽出する際には非常に強力な速読術であるが、逆に新しい知識を得ようとする場合には不向きである。

              ◎メリット
              ・前提知識が豊富な内容の中から欲しい情報を素早く取り出すことができる
              ・出来るとカッコいい
              ・眼球が疲労しない

              ×デメリット
              ・資格勉強や大学受験などで効果を発揮しにくい
              ・習得が難しい
              ・目的以外の情報が得られない


              ●ブロック式
              筆者がはじめに手をつけたのはこれだ。
              ブロック式とは、単語をひと塊のブロックごとに区切って、ブロックごとに一気に読んでいく方法である。日本語ではブロックにする単位は分かりづらいかもしれないが、英語で考えるとイメージが湧きやすい。
              例えば、人は普通"This is a pen, but that is a pencil."という文章があったときに、"This"の次に"is"のように単語ごとに読んでいく。しかし、これだと読むスピードが非常に遅くなる。1つ1つの単語を毎回毎回脳に送って情報を処理するのは得策ではない。そこで、複数の単語をまとめて読んでまとめて処理してしまう方法がブロック式だ。先ほどの文章であれば"This is"の次に"a pen"というように、単語ごとではなく複数の単語を一気に処理してしまう。初めから一気に複数の単語を同時処理するのではなく、まずは2語ずつ。慣れて来たら3語、4語、5語…… のように少しずつ処理できる単語量を増やしていくのだ。そのうち"This is a pen, but that is a pencil."の全文まとめて処理できるようになる。極めれば書籍の見開き1ページを一気に理解できるようになるかもしれない。眼球を上下に動かさなくても横に動かすだけで読めるのも特徴だ。

              ブロック式は、習得に多少なりとも訓練を要するが、TOEICなどの時間制限のある試験においては非常に効果を発揮する。

              ◎メリット
              ・資格勉強や大学受験などで効果を発揮する
              ・内容を網羅できる
              ・眼球が疲労しない

              ×デメリット
              ・習得が比較的難しい(フォトリーディングや単純な速読よりは楽)


              ●結論主導型
              結論主導型は、結論だけを抜き取る方法である。フォトリーディングと用途は類似しており、あらかじめ探したい情報が決まっているときに効果を発揮する。
              この方法は速読の中でも一番簡単で、誰でも実践することができる。本に書いてある内容のほとんどが具体例や雑談という前提で本当に主張したい部分はごく一部である、との考えを利用した方法である。

              やり方は、まず本のタイトルをみる。タイトルは内容を端的に表したものであるため、はじめにシッカリと頭の中に入れておく必要がある。タイトルを頭に入れたら次は目次とイントロダクションを読む。目次を読めば中身の構成が分かり、イントロダクションを読むことで本の概要および背景を知ることができる。イントロダクションの次には、そのまま中身を読まずに一気に結論(サマリー)に飛ぶ。結論では、筆者が主張したいことが端的に書かれているはずだ。結論まで読んでも腑に落ちなかったり、いまいち内容が理解できなかった場合は、各ページの図やテーブルを見るとよい。もしも図だけで分からなかったら、そこではじめて文章を読むのだ。
              過去記事で以前に本手法を紹介したことがあるので「人生を変える読書術」を熟読していただきたい。

              結論主導型は、時間が非常に短時間で趣旨を読み取ることが可能な方法だ。特別な訓練は必要なく、誰でもやり方を知っていれば実践可能である。

              ◎メリット
              ・習得が易しい
              ・眼球が疲労しない

              ×デメリット
              ・目的以外の情報が得られない


              ●単純な速読
              はじめから全ての文章を高速に読む方法である。もしかするとこれが一般的に考えられている速読なのかもしれない。単純であるが、普通にいつも通り早く読むということではない。ほとんどの人は文章を読む際に頭の中で音声化している。この文字の音声化を行なっている限り、文章を読むスピードには限界がある。人間の脳は、視覚情報を高速に処理できるが、聴覚情報はそうではない。速聴というものがあるが、早い人でも4倍速程度のようである。つまり、毎回音声変換してしまうと、音声速度の4倍程度が限界となってしまう。

              そこで、文章を視覚だけで読み取る訓練が必要になる。毎回頭の中で音声を再生せずに、視覚情報を直接処理していく。そんなのは無理だ、というのであれば絵画を思い描いてもらいたい。絵を見ると、視覚情報が直接頭の中にインプットされて、詳細部分はともかく、全体像は理解できるはずだ。まさか絵を音声変換している人はいないだろう。人間は音声再生しなくても情報を処理できるのだ。

              単純な速読は、文章を音声化せずに視覚情報をそのままインプットする方法であり、習得は難しいが目の疲労以外のデメリットがないのが特徴である。

              ◎メリット
              ・資格勉強や大学受験などで効果を発揮する
              ・内容を網羅できる

              ×デメリット
              ・習得が難しい
              ・眼球が疲労する


              ■どれを取得するべきか?
              ここまで速読の種類を列挙したが、どれを取得するべきかはそれぞれのメリットとデメリットを考えて自分自身で選択するとよい。

              ちなみに筆者は、どれか1つだけを習得することはお勧めしない。場合によって使い分けるように、組み合わせることを推奨する
              筆者は、フォトリーディング以外はすべて多用している。例えば、複数の論文を読む必要があるときは結論主導型を使う。すべて読んでいては効率が悪く、不必要な情報が多く入ってきても大量の情報で頭がパンクしてしまうからだ。ビジネス書を読む際にも結論主導型を使うことが多い。
              一方、小説を読む場合はブロック型と単純な速読を組み合わせる。単純な速読は眼球運動を高速にしなければならないため、目に疲労がたまりやすい。そこでブロック式で眼球を水平に移動するだけで読めるようにすると、長時間読むことが可能となる。ブロックごとに速読することで単語ごとに追うよりもスピードが上がるという利点もある。


              ■速読の学び方
              まず理解してもらいたいことは、結論主導型以外を除いて速読は一朝一夕で習得できるようなものではない。使いこなせるようになるためには、それなりの時間と根気を要する。
              速読を学ぼうと思った直後は良いが、人のモチベーションは長く続くものでは無い。そこで、まずお勧めするのは通信講座やトレーニングソフトの購入である。それらの内容自体はさておき、はじめにそれなりの金額を支払ってしまうことで、自分自身を追い込むことが目的である。筆者自身もどうしても身につけたい知識がある場合には、それに関連する受験料の高い資格試験に申し込んでしまうことが多い。後戻りをできなくしてしまうのだ。
              トレーニング商品の例として以下のものがある。それなりに実績もあり、サポートもついているので教材としては問題ないだろう。


              もしあなたが自分自身を管理できるようであれば、独学をお勧めする。筆者が過去に読んだ本では以下のようなものがある。方法論が書かれているので、根気よく続ければ必ずできるようになるだろう。ただし、挫折する人も多いので、独学でやるからにはシッカリとモチベーションを維持し続けるように。




              ■筆者が習得した方法
              ここからは筆者自身が速読を習得した方法を紹介しようと思う。独学で学ぼうとしている人の参考になれれば幸いである。

              ●ブロック式
              筆者はまずブロック式から習得した。
              まずは指を使って文字をなぞるという方法を実践した。指でなぞった文字を一気に読むのだ。はじめは2語づつ、人差指と中指、薬指を下に添えるようにし、徐々に各指の間隔を広げるようにした。そして訓練しているうちに3本の指では間に合わないようになってきたので、親指と人差指で一気に読む箇所を掴むようにした。徐々に一度に読める単語が増えていき、出来るようになってくる実感が湧くため、モチベーションの維持はしやすかった。


              ●単純な速読
              ブロック式を一通り出来るようになった後で単純な速読を学んだ。学んだというよりは、自然にできるようになり、その後で原理を知ったという感じである。
              筆者の場合は、本で学んだというよりは、ゲームやSNSを通じて学んだことが多い。例えば、ゲームだと一度に表示される文字数が本と比べて非常に少ない。多くても4行程度だろう。そのため、一気に視覚情報が頭の中に入ってきやすい。少量の文字を読んで次の文章に進むというサイクルを繰り返すのだ。
              最近のゲームだと音声が入っているようだが、一々すべてを聞いてはいけない。そもそも前述した通り、速読では音声は厳禁だ。慣れてくるとボタン連打で読み進められるようになる。
              ゲームをしない人であれば、ツイッターがお勧めだ。ツイッターは一度につぶやける文字数が制限されている。そのため、タイムラインを上から追っていくだけで少量の文章の塊を繰り返して読むという訓練ができる。

              いきなり長い文章で速読するのは難しい。短い文章に区切って一気に視覚情報を取り込む訓練をすることで、頭の中の音声化を排除するのだ。


              ●結論主導型
              これは単純にやり方を知っているかどうかである。


              ■まとめ
              速読は習得するのは大変だが、できるようになると情報処理能力を飛躍的に上げる基盤ができる。一度習得してしまえば、その後の情報処理に役立つので、ぜひ早めの習得をお勧めする。
              速読ができるようになったら、次は論理力の向上、そして情報処理能力の向上、を図ることで読解スピードをあげていただきたい。
               



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              | katekyonet | 勉強の仕方 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              アロマテラピー検定1級 独学1発合格 〜勉強時間:15時間〜
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                JUGEMテーマ:検定試験にむけて

                今回受験した資格はアロマテラピー検定1級です。
                視覚系の色彩検定を取得していたので、今度は嗅覚系の資格も取ってやろう、というのが受験動機です。初めは実用的でない資格試験だと思っていましたが、学習するうちにその有用性に気がついてきて、だんだんと勉強が面白くなってきました。


                ■概要
                アロマテラピー検定とは、香りに関する資格試験です。ストレス社会といわれる現代で、心身ともにリラックスできるひとつの手段としてアロマテラピーを利用する人が増えているようです。ただし、興味を持ったからといって適当に好きな香りの精油を購入して利用するわけにもいきません。なぜならば、皮膚に強い刺激を与えるものや、光に当たると炎症を引き起こすような使用に注意が必要な精油もあるからです。正しい知識をもってアロマテラピーを楽しむための前提知識をつけるための試験です。

                なお、試験には1級と2級がありますが、いきなり1級を受験することも可能です。筆者は1級から受験をしました。
                公式ホームページでは級の違いを以下のように説明しています。


                1級は「アロマテラピーを家族や周囲の人々とともに楽しみ、健康維持のために用いる知識を問います」
                2級は「アロマテラピーを自分で楽しみ、健康維持のために用いる知識を問います」

                http://www.aromakankyo.or.jp/licences/aroma/ より


                簡単にまとめると、2級は個人で楽しむため、1級は個人でなく周囲の人とともに楽しむため、という位置づけでしょう。


                ■試験結果
                短期間で合格することができました。得点に関しては、問題冊子の持ち帰り不可の試験のため、自己採点の結果を記載しています。

                ・期間:10日(勉強時間 15 時間)
                ・費用:13,716円(受験料6,480円、参考書代等7,236円)
                ・得点:58〜60問正解(60問中48問以上で合格)


                ■計画
                まずはインターネットで情報収集です。
                日本アロマ協会の公式ホームページを確認したところ、合格率はおよそ90%とのこと。この合格率であれば、2級から順番に受けるよりもいきなり1級から受けても大丈夫だと考えました。
                問題集はアロマテラピー資格試験研究所作成の「アロマテラピー検定1級・2級テキスト&問題集 〜20日間完全マスター〜」に決めました。理由は3つで、1級だけでなく2級にも対応しているため基礎的な事柄から学べるだろうから、そして20日間でマスターという文句に惹かれたから、最後にテキストと問題集がセットで実際に問題を解きながら学べるため学習効率が良いと考えたから、です。

                実際に本を購入すると分かりますが、タイトルに書いてある通り20日でマスターできるのは基礎知識のみで精油プロフィールはその期間に含まれていません。しかし、本が指定する1日の学習量は非常に少ないため、1日で2日分進めることは容易であり、それを考えると精油プロフィールを含めて20日間でマスターできるというのはあながち間違いではないかもしれません。

                さらに、アロマテラピー検定では精油が配られて、その香りを嗅ぎ分ける「香りテスト」なるものが出題されます。インターネット情報では香りテストの対策をしなくても合格できるとの話がいくつもありましたが、折角アロマテラピーを学んでいるのに香りの嗅ぎ分け訓練をしないのはもったいないな、との考えから精油を購入することにしました。寝る前の息抜きとかにも丁度いいですし。試験後の感想ですが、やはり検定試験に合格するために「香りテスト」対策は必須ではない、と思いました。
                購入した精油は「生活の木」が取り扱っている「アロマテラピー入門セット アロマテラピー検定1級対応 Aセット」および「アロマテラピー入門セット アロマテラピー検定2級対応」です。1級のBセットは香りテストの対象外ですので試験に合格することを第一に考えるのであれば購入する必要はありませんが、折角学んだ精油の香りを実際に嗅いでみたい人は購入すると良いでしょう。
                これらの精油は特に計画を立てることなく、テレビを見ながらや寝る前の息抜きとして香りを嗅ぐようにしました。


                ■実行
                まずは問題集です。
                20日で終わると書いてありますが、そんなに焦ってやらなくても4日程度で終わらせることができました。一番大変だったところは、アロマテラピーの歴史の章です。流し読みだと中々覚えづらい。誰が何を書いてどんなことを実現したか、というところをシッカリと整理して覚える必要があります。とは言っても、出題される範囲はそこまで広くなく、歴史の章は自分なりにノートに書いてまとめたり、語呂合わせを作成したり、暗記カードを作ったりすれば結構簡単に対応できるかと思います。

                次に大変だったところはアロマテラピーのメカニズムです。具体的には、においが嗅覚器を通じて脳に伝わるところの仕組みです。
                筆者は生物学をほとんど勉強したことがなかったため、用語を聞いたことはあっても意味は全く分からない状態でした。例えば、視床や視床下部という用語はテレビなどで聞いたことはあっても、実際に人体のどこにその器官が存在して、どのような役割があるかは完全に知識ゼロでした。
                文字だけを見ていても中々整理ができなかったのですが、嗅覚器と脳のメカニズムに関しては図でイメージごと理解すると意外とすんなり吸収することができました。今回使った問題集には各器官のイメージ図が載っていますが、他の書籍にも当然載ってるかと思います。ですので、これまでこの分野を学習してこなかった方々には、イメージで理解することをお勧めします。

                一通り基礎知識を学んでから精油プロフィールの学習に進みました。
                確実に抑えなければならないのは、どの植物が何科で、どの部位から精油が抽出できるか、です。これも闇雲に覚えても効率はあまり良くありません。
                まず、何科の植物かを覚えるコツですが、はじめに1つしかないものを暗記していくと良いです。例えば、イランイランはバンレイシ科、ゼラニウムはフウロソウ科、のように。そして1つだけのものを覚えたら次はユーカリやティートリーだけのフトモモ科、といったように少ないものから順番に覚えていくと整理しやすいと思います。
                そして一番厄介なのはシソ科。この科に属する植物は一番多いからです。シソ科に関しては、覚える必要はなく、シソ科以外の科をすべて覚えておいて、それ以外をシソ科と答えるのが試験攻略の上では得策です。

                抽出部位も同様です。ただし、科名の時とは異なり、花から抽出される精油と葉から抽出される精油の両方が多いため、試験に受かるだけなら、花および葉から抽出される精油以外を完璧に覚えておいて、覚えているもの以外が出たら雰囲気で答えるのもありだと思います。ここを落としたとしても合否には然程響かないでしょう。

                あとは各精油の特徴と注意事項ですが、特に大変なのは注意事項です。注意事項には、香りが強いとか光毒性とか皮膚刺激とかあるのですが、皮膚刺激のある精油は多く、覚えるのが非常に大変です。注意事項についても香りが強いものと光毒性のものをシッカリと覚えておき、皮膚刺激のものに関しては雰囲気で答えると良いでしょう。

                最後に香りテストです。香りテストは1級ですら2問しか出題されないような低い出題率です。
                香りテストで出題される精油は2級で10種類、1級で17種類です。ですが、グレープフルーツやレモン、ペパーミントなどは嗅ぎ分ける訓練をしなくても解けるでしょう。しかも実際にこれらが本試験で出題されることも多々あります。つまり、全く対策をしなくても得点することができることもあるのです。
                という感じで、ここを学習しても合否にはあまり響かないので、特に意識しながら学習することはなく、寝る前や息抜きに順番に嗅いでいき、好きな香りがあったら覚えていく、というようにしました。


                ■本試験
                まず受験の際の注意事項は、精油の持ち込み及び強い香りのする化粧品などの使用は厳禁です。その理由は、香りテストがあるためでしょう。

                本試験会場はTKP市ヶ谷カンファレンスセンター。以前に中小企業診断士試験で訪れたことがある場所です。
                試験会場の入口に着くと、他の試験ではあり得ないほどの数の女性が列をなして並んでいました。公式発表によると約9割が女性の受験生だということですが、実際にはそれ以上に多いような錯覚を受けました。
                エレベータに乗って5回に上がって部屋に入ってみると、やはり女性だらけ。しかし、入口ほど女性率は高くなく、ちらほら男性受験者も見られました。

                席を確認した後にお手洗いを済ませようと、その階のトイレを探したところ女性トイレだけでなく男性トイレにも女性の列が。なんと全7フロアのうち1、4、7階以外は男女用トイレともに一時的に女性用にしているようでした。圧倒的に女性受験生が多いため、トイレの混雑を避けるための対処だと思われます。これには感服し、他の試験も見習うべきだと思いました。IT系の試験やコンサル系の試験は9割以上が男性なので、男トイレに長蛇の列ができるのでいつも不満に思います。

                席について少し待っていると試験の説明がはじまりました。試験問題冊子の持ちかえりができないと聞いたときは、また自己採点ができない試験か、とも思いながら待っていると香りテストの説明がはじまりました。

                香りテストの詳細ですが、知識試験とは別に時間を取るようです。1級の場合は試験時間が70分ですが、そのうち初めの10分間が香りテストになります。

                問題冊子と解答用紙が配られると、氏名や受験番号を記入することになります。
                試験時間が開始すると先ずは精油ビン2つがパッキングされて配布されます。ビンにはそれぞれ,鉢△離薀戰襪貼られています。そして全員に精油が配られた後で、問題集の香りテストのページを開くように説明されました。それ以降のページは知識問題になるため、開かないように注意を促されます。

                試験開始の合図に合わせて精油,里佞燭魍けて直接匂いを嗅ぎました。スッキリした清涼感のある匂いでしたので即座に選択肢の中からそれっぽいユーカリを選択、すぐに△飽椶襪蛤E戮魯潺鵐箸里茲Δ聞瓩蠅したのでペパーミントを選択しました。
                1分以内に終わったので、暇つぶしにユーカリとミントの香りを楽しんでいると、試験終了の合図。精油をパッキングに入れて机に置くよう指示された後で回収されました。

                回収が終わると改めて試験開始の合図。今度は知識問題です。問題を順番に解いていくと、一瞬で答えが分かるものばかり。驚いたのは「次のうち『運動』によってもたらされる効果として適切ではないものはどれか?」という問の選択肢に「内臓脂肪の燃焼に効果がない」というようなものがあったことです。こんなのは勉強しなくても一般常識レベルで解ける問題ですよね…… そういう問題がいくつかあった後で精油プロフィールの問題が出てきました。恒例の植物の科名を答えさせる問題や抽出部位を答えさせる問題にはじまり、次に精油の特徴問題が続きます。突っ込んだ内容はほとんどなく、テキストから外れたような奇問はありませんでした。
                最後の方には法律や環境問題などの問題がありましたが、ここも一般常識レベルで解ける問題だらけでした。

                全60問解き終わった時点で試験時間は5分しか経過していませんでした。1問目に戻って再度問題冊子で選んだ解答を確認しながらマークシートに転記。間違えないように注意しながら全てマークが終わった時点で時計を確認すると試験開始から15分が経過していました。
                試験時間は60分ですので45分が余りました。何回か見直しましたが特に間違っているところもありませんでした。途中退室ができないので非常に暇。仕方がないので机に突っ伏して寝ましたが、目が覚めて時計をみるとまだ時間が30分残っていました。
                何もせずにボーっとしているとやっと試験終了。解答用紙と問題冊子が回収されると、下の階から順次退出するようお願いをされ、試験終了後10分程度経ってからやっと試験会場をあとにすることができました。


                ■総評
                アロマテラピー検定試験は、非常に合格率が高い試験です。とはいえ無勉強で受かる試験でもありませんので対策が必要です。テキストは2冊以上買う必要は一切なく1冊を徹底して覚えれば十分受かるでしょう。

                また、アロマテラピーの資格を取得するメリットですが、現職でアロマを用いたリラクゼーションやマッサージを行っている方々は当然ながら、デオドラント(体臭や汗の臭いを防いだり、取り除いたりすること)や虫除け、化粧品などを使う方にもおすすめです。男性でも体臭が気になっている方はいらっしゃるでしょうし、虫刺されが嫌いな人は虫除けスプレーを自作することができます。市販のものだとどうしても添加物などが気になってしまい、使用するのをためらってしまいますが、自作であれば天然の精油と精製水、無水エタノールなどで簡単に、しかも安く大量に作成することができるようになります。

                現在ではそのイメージから圧倒的に女性に支持されているアロマ資格ですが、今後は男性でもどんどん取得していってもらいたいと思います。アロマ男子というのも増えてきているようです。


                ◎アロマテラピー検定最短合格のためのアプリ

                アロマテラピー検定に効率よく合格するためのアプリを作成しました。基礎知識問題と精油プロフィール問題に分けています。解説を丁寧に書きましたので、これひとつで合格できるようにしました。
                以下のリンクからGoogle Play Storeにアクセスできます。

                最短合格!アロマテラピー検定1級 Lite

                最短合格!アロマテラピー検定2級 Lite


                 



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                | katekyonet | 資格勉強 | 11:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                相手を説得する方法
                0
                  JUGEMテーマ:教育
                  JUGEMテーマ:塾と家庭教師

                  あなたが人と一緒に何かをしている以上、必ず相手を説得する場面に出くわすだろう。その時、あなたはどのように対応しているだろうか。叱る人、優しくなだめる人、説得せずに自分でやってしまう人、様々だろう。
                  本記事では、説得することを前提として、その方法として最良と考えられるものについて述べようと思う。


                  ■相手を叱るのは最悪
                  最初に、相手を叱ることが説得する手段に向いていないことを論じたい。
                  学生だった時を思い出してほしい。教師が生徒を頭ごなしに叱りつけていることが結構あったかと思う。あなた自身が叱られたこともあるかもしれない。その際に、叱られた生徒はどのように感じ、その後どのように考え、行動しただろうか。素直な生徒であれば、叱られたことを真摯に受け止めたかもしれない。しかし、ほとんどの生徒は叱られたからといって、そのまま納得することはないだろう。むしろ、叱りつけた教師に腹を立てた経験も多いだろう。そして、裏で悪態をつく、表面上だけ取り繕う等、様々なアクションを起こしただろう。
                  つまり、相手を叱ったとしても、相手を心底から納得させることは出来ず、さらに顰蹙をくらうことが多く、本質的な解決にはつながりにくいのである。


                  ■人間は人から指示されることを嫌う
                  人間は誰しも自分勝手に振る舞いたいものだ。それは子供をみれば一目瞭然だ。社会経験をしていない子供はわがままで、自分の思い通りにならなければ泣き喚くことも多々ある。大人になって相手を気遣うようになったり、相手のために何かをするようになるのは、学校そして会社という一連の教育の中で身についた結果である。
                  例外として尊敬する人から指示される場合は、自ら納得して従うこともあるが、不特定多数から尊敬されることは現実的でなく、実際は初めて出会った人に何かを頼むことは多いので、現実的ではないだろう。


                  ■相手が自ら行うように仕向ける
                  それでは相手を説得せずに自分でやってしまえば良いのか。その答えはNOである。なぜならば、自分自身で出来ることは限られており、大きなことをやり遂げようとするならば必ず誰かの力が必要になる。大きなことでなくとも、日々の雑用などを自分ではなく相手にやってもらえれば、それだけ自分の時間が増えて、自分のやりたいことができるようになる。
                  しかし、前述したように人は指示されることを嫌う。それであれば、自ら実践するように話し方を変えてやればいいのだ。つまり、相手の利得を前面に押し出し、それを実行することによって相手が得することを強調すれば良い。
                  「それができれば苦労しない」と嘆かれる方も多いと思う。そんな方にも納得できるように以下の具体例を見てもらいたい。英語の勉強をしたくない女の子に英語を勉強させようとするシチュエーションだ。

                  あなた「将来何をやりたいの?」
                  女の子「うーん、まだ決まってないよ」
                  あなた「じゃあ好きなことって何?」
                  女の子「テレビ見たり…… あとは、女優さんみたく綺麗な格好をしてみたい!」
                  あなた「綺麗な格好ってことはデザインしたいってこと?」
                  女の子「確かに自分でデザイン出来たら楽しいかも」
                  あなた「ファッションデザイナーとかどう?」
                  女の子「楽しそう! ZARAとかで働きたいかも」
                  あなた「ZARAか。いいね! ZARAで働くのにどんな能力が必要だと思う?」
                  女の子「デザイン力……?」
                  あなた「もちろんそうだけど、ZARAってどこの国の会社か知っている?」
                  女の子「スペインだよね」
                  あなた「そうだよね? じゃあZARAに勤めるために必要な力って?」
                  女の子「スペイン語……?」
                  あなた「確かに本社で勤めるためにはスペイン語も必要だけど、スペイン以外にもたくさんの国にZARAの会社ってあると思うんだけど、その時に必要な言語って何かな?」
                  女の子「うーん、英語?」
                  あなた「そう! 世界で活躍できるファッションデザイナーになるためには英語は不可欠なんだよね!」
                  女の子「そっかー、じゃあ英語を頑張らないと!」

                  もちろんこんなシナリオ通りにいかないかもしれない。だが、大体こんな流れで話しを進めていけば、自身で自分のやるべきことに気がつけるだろう。必要なことは、相手が本当にやりたいことを達成する手段として勉強が必須なことを気がつかせてあげることなのだ。もちろん、相手自身が自分のやりたいことに気がついていない場合もあるだろう。その場合は、子供が好きなことを聞く、もしくは親や教師の視点から子供が好きそうなことを本人に聞く、というプロセスも無視できない。

                  今回の例では、当意即妙で返しているがその必要はない。初めの日に好きなことをきいて、数日間かけて話の持って行き方を考えた後で再びその話題を出し、返答に困ったらそのまた数日後…… というように実践してもよい。


                  ■褒めることで継続的に実施させる
                  相手の説得に成功してやる気にさせたとしても、三日坊主ではどうしようもない。そのモチベーションを維持させることが次の課題となる。以前の記事で、スケジューリングをして具体的な目標を立てるという話はしたが、今回はさらに褒めるという観点を加えたい。
                  前述したように、相手を叱ってもそのまま納得してもらうことは難しい。そこで、相手が自分の望んだどおりの行動をしてくれた場合は、積極的に褒めるべきだ。叱るというのは、間違ったことを正しながら望んだ方向へ導く方法である。一方、褒めるというのは、相手が正しいことをした場合に、それを認めながら望んだ方向へ導く方法である。
                  人間誰しも褒められれば嬉しいのだ。一度褒められれば、次も褒められるために同じように行動してくれるだろう。


                  ■最後に
                  これまでの議論のように、人を説得する方法は、相手の気持ちになって自ら実践するように話しかけることである。そして、相手が自分の説得した通りに動いてくれた場合に褒め続けることで継続することができる。
                  褒めることに関する名著にはD・カーネギーの「人を動かす」がある。世界で最も読まれているビジネス書のひとつでもあるので、興味を持った人には是非とも読んでもらいたい。
                   



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                  | katekyonet | 教育 | 14:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  サービスとホスピタリティー 〜ブラック企業は必ず潰れる〜
                  0
                    JUGEMテーマ:ビジネス
                    JUGEMテーマ:教育

                    ホスピタリティという言葉が近年益々使われるようになってきた。そうは言っても、この用語に馴染みが薄い人もいるかもしれない。ホスピタリティに近い言葉は「おもてなし」だろう。おもてなしとは、単純にサービスということではないのだ。

                    ■ホスピタリティとは
                    ホスピタリティはサービスのさらに上位に位置するものだと考えることができる。例えば、レストランで客に料理を提供するのはサービスだ。良いサービスを受ければ人は満足するし、悪いサービスであれば不満が溜まる。サービスとは、店が顧客に提供する必要最低限のものである、と考えられないだろうか。
                    レストランで料理を提供される場合を考えてもらいたい。ウェイターもしくはウェイトレスが料理を出す際に「プレートがお熱いので気をつけてください」と笑顔で話しかけてくれたらどうだろうか。おそらく機械的に料理を提供されるより気分が良くなる人は多いだろう。店が通常提供するサービス以上のモノ、それがホスピタリティである。

                    ■ホスピタリティの重要性
                    現代はモノが溢れかえっている。日常生活をする上で必要なものは、どの家庭にも大抵揃っている。モノが溢れている状況で自分の製品を購入してもらうには、自分の製品の付加価値を高めることだ。付加価値とは、製品に高い機能を備えさせることではない。現在ではほとんど全ての製品で機能的なところは既に飽和している。例えば、カメラで高画素を売りにしたとしても、すでに普通の人間には判断できないレベルになっている。付加価値をつけるのであれば、機能ではなくホスピタリティだ。なぜならば、顧客が違いを認識できない製品同士の比較で、顧客が何を買うかを選ぶ決め手はホスピタリティになるだろう。そしてそれがリピーターを作り出し、同じ客と末永くお付き合いをすることになる。

                    ■ホスピタリティの実践方法
                    ホスピタリティをいきなり実践することは難しい。前述したように、ホスピタリティとはサービスの上位に位置するものである。そこで、まずはサービスを完璧にこなせるようになってからホスピタリティを習得するよう意識すべきである。そのためには質の高い人材育成の必要がある。
                    まずは、従業員に対してマニュアル通りしっかりと仕事をこなせるようになってもらう。仕事を確実にこなせるようになった段階で、初めてホスピタリティを学ばせるのだ。
                    注意点としては、サービスと違ってホスピタリティを学ばせることは非常に難しい。サービスに関してはマニュアルが存在するが、ホスピタリティにはマニュアルは存在しない。マニュアル通りに物事を進めるだけでは顧客の心に響く対応をすることはできない。なぜならば、その時々のシチュエーションに応じて臨機応変に顧客の望むことを推測し、先んじて行動する必要があるからだ。
                    マニュアルを作れないならどうすれば良いか。そこで、経営層もしくは経営層の意向を受け継いだ管理者レベルの人間が従業員に対して会社のミッションを真摯に訴えかけ、それぞれの従業員が顧客満足を最大にするように意識しながら動くことが求められる。常に顧客の立場で考え、自分だったら最も喜ぶだろう対応をシチュエーションに合わせて対応するのだ。実際に高級ホテルの接客対応にマニュアルは存在しないことは有名である。
                    例えば、物を無くした時に無表情で「承知しました。それでは今から係員で捜索いたします」と言われるのと、心配そうな表情で「それは大変ですね……只今係員全員で探します。きっと見つかりますよ」と言われるのでは後者の方が気分が良くなるだろう。
                    従業員それぞれが顧客の立場にたち、顧客が最大限満足するような行動を想定してアクションを起こすこと、これがホスピタリティに繋がる。

                    確かにホスピタリティを根付かせることは困難だが、それが他社に真似のできない自社の優位性となり、他社との差別化を図れる。
                    心から心配することは難しいという人もいるかもしれない。その場合、表情だけ変えても良い。笑うのが苦手な人は作り笑顔で良い。アイコンタクトが苦手な人は、無理にアイコンタクトせずに相手の言葉に相槌をうって真摯に意見を聞いているという仕草をしてもよい。大事なのは、自分が相手の立場に立った時にどういう反応をしてくれれば満足するか――つまり、相手にどうとらえられるかだ。

                    ■ホスピタリティを実践する際の注意点
                    顧客を満足させるためには、顧客に直に接する従業員にも満足してもらわなければならない。会社から悪い待遇を受けている従業員がその顧客に良い対応をできるだろうか――否、できるはずがない。
                    近年話題に上がっているブラック企業はそこに勤めている従業員だけでなく、その企業を利用するユーザーにも関係してくる。ブラック企業に勤めている社員が自社への忠誠心が低いのは火をみるより明らかである。短期的には売上を上げることができるかもしれない。しかし、これまでの議論から分かる通り、その従業員が顧客に対してホスピタリティを発揮してひとりひとりの顧客と末永くお付き合いすることは不可能だ。結果、質の悪い対応にうんざりした顧客は離れていくことになる。そしてブラック企業は潰れていくことになる。
                    顧客に接する従業員を大切に扱うことが、ホスピタリティを発揮することに不可欠なのだ。

                    ■最後に
                    今回は経営の視点を主として話を進めたが、教育においてもホスピタリティは非常に重要である。ただ問題の解き方を教えるだけでなく、生徒がどこが分からないのか、なぜ分からないのか、を生徒の気持ちになって最大限満足させられるよう実践することが良い教師になるための第一歩である。

                    本記事の内容を書く際に一番参考したのは以下の書籍であり、元ディズニーランドで働いていた社員の生の声が収録されている。もしホスピタリティに関する多くの具体例を知りたいのであれば、この書籍を熟読してもらいたい。
                     



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                    | katekyonet | ビジネス書 | 10:55 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    マイナンバー実務検定1級・2級 独学1発合格 〜勉強時間:15時間 実務経験無し〜
                    0
                      JUGEMテーマ:検定試験にむけて
                      JUGEMテーマ:ビジネス
                      JUGEMテーマ:マイナンバー

                      今回は比較的新しい試験であるマイナンバー実務検定の合格体験記です。受験動機は、マイナンバー制度が開始するにあたり、少しでも知識があった方がいいなぁと。


                      ■概要
                      本試験は、マイナンバーの扱い方に関する試験です。3級は一般人レベル、2級は指導者や管理者レベル、1級は実務者レベル、となっています。ですが、指導者や管理者と実務者の違いはほとんどなく、試験範囲としては1級と2級はほとんど同じであると考えられます。

                      なお、マイナンバー実務検定の上位資格としてマイナンバー管理士というものがあります。これは、以下のいずれかの条件を満たすことで取得できる資格となっております。

                      1.マイナンバー実務検定1級合格者で、かつ、当協会が指定する個人情報保護法および安全管理措置に関する認定講習会を受講した方
                      6時間の講習会に出席した後、レポート提出を行った者で、1日の講習内容を十分に理解したと認められた者。
                      2.マイナンバー実務検定1級合格者で、かつ、個人情報保護士認定試験合格者の方
                      協会が提示した、マイナンバーの利活用に関する理解、安全管理措置などのテーマに沿ったレポートを提出して、マイナンバー管理士として活動することが適切であると認められた者。

                      http://www.my-number.or.jp/cmo.html より


                      ■試験結果
                      ・期間:10日(勉強時間 15 時間)
                      ・費用:22,140円(受験料19,440円、参考書代等2,700円)
                      ・得点
                      1級:65問(80問中64問以上で合格)
                      2級:51問(60問中48問以上で合格)

                      合格基準は1級、2級ともに80%以上で合格です。合格基準が高いため、圧倒的な得点での合格は難しかったのですが、無事にどちらも合格することができました。


                      ■計画
                      まずはインターネットでの情報集めです。
                      いくつかサイトを調べてみると、2級は公式テキストだけで対応できるが、1級はそれに加えて各種ガイドラインを熟読する必要があり、さらに個人情報保護委員会や国税庁、総務省等のFAQの内容が出題される、と書かれていました。
                      公式テキストでは基礎知識が学べ、ガイドラインはさらに深く踏み込んだ内容、そしてFAQは実務レベルの内容となっているようです。そこで、まずは基礎知識を学ぶために公式テキストを読み込んだ後、ガイドラインおよびFAQに進むことにしました。

                      公式テキストは約260ページということですので、1日40ページくらいずつ進めて7日くらいを目安に終わらせるように計画を立てました。テキストの2週目はその約半分の4日、3週目は2日で終わらせれば、合計13日で終わる計算です。

                      次にガイドラインについては、以下の2つが1級の試験範囲であると公式ホームページに記載がありました。それぞれのガイドラインから5〜10問程度出題されるようです。
                      ・特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)
                      ・金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン

                      当初はそれぞれのガイドラインに2日ずつかける予定でしたが……まぁ後で書きますがこれらを読む必要は全くありません。公式テキストに重要な箇所は載っていますし、ガイドラインを読むこと自体が苦痛なので、個人的にはおススメしません。

                      そして最後にFAQを理解します。FAQは厚生労働省、総務省、個人情報保護委員会のそれぞれに掲載されていますが、非常に量が多い。そこで、インターネットで調査した結果、出題される割合が最も高いのは個人情報保護委員会のFAQであることが分かったので、そこを中心に学習し、時間が余ったら他の省庁のFAQを確認することにしました。


                      ■実行
                      公式テキストの購入からはじめたのですが、ここで問題が発生。マイナンバー実務検定のテキストは需要が少ないためか、通販で頼んでから届くのに10日ほどかかりました。勉強を開始すると決めたのが試験20日前でしたので、テキストが届いてから受験まではわずか10日となってしまいました。
                      試験ギリギリから勉強を開始する予定の人には注意が必要です。事前にテキストは購入するようにしてください

                      試験委員会から受験票が届くと、前々回の過去問が同封されていました。が、テキストが手元にないため勉強には取り掛かれず。後に公式テキストが届いてから学習を開始しました。全部で約260ページ。当初は1日40ページずつ仕上げるつもりでしたが、テキストの到着が遅れたため、1日80ページ超ずつ読み進めることにしました。
                      テキスト自体は読みやすく、繰り返し事項も多かったため、1日80ページはそれほど大変でもなく、無事に3日で1周目が終わりました。そして2周目に2日、3周目に1日かけ、合計6日で終わらせました。
                      なお、テキストの各章末に練習問題が掲載されていますので、時間短縮をしたい方は、問題を解きその解答を読んである程度理解してから各章の冒頭に戻って読み進めると、勉強効率が上がるかと思います。他の試験の合格体験記で何度も書いている通り、テキストから読んでその内容を理解することは難しく、問題から解いてその後でテキストで確認する方が記憶に残りやすいので。

                      その後7日目からガイドラインを読み始めましたが、ほとんどがテキストに書かれている内容でした。稀にガイドラインにしか掲載されていないものもありましたが、全体のごく一部です。そのごく一部のために合計100ページほどあるガイドラインを読むことは得策ではありません。過去問で出題されたらその都度その箇所を覚えた方が良いです。すぐにガイドラインを切り上げてFAQに進みました。

                      FAQは各会社から各機関に問い合わせられた事項を、その回答とともにまとめたものです。ですので、実務により近い内容となっています。税金分野及び社会保障分野(ごく稀に災害分野)での具体的な対応方法を覚えていくことになります。
                      個人情報保護委員会に載せられているFAQは全部で100弱。量が多いように思えますが、公式テキストでも説明されている内容もあるため、実際に覚えるのはその3分の1の30個くらいになります。
                      全体をサラッと確認するのに1日使い、次の日に各FAQの詳細を覚えていきました。

                      ここまででテストまで残り2日となりました。それから2級の過去問を実施し、その後1級の過去問を解きました。点数はその時点で両方とも8割超えていました。間違えたところを見直して試験に備えました。

                      過去問を解いた感じでは、1級と2級で出題レベルはほとんど変わりませんでした。1級は2級に比べて問題数が多いことと、個数問題があることくらいです。個数問題とは、単純に正解もしくは不正解の選択肢を選ぶというものではなく、選択肢の中にいくつ誤ったものがあるのか、まで理解しなければならない問題のことです。


                      ■本試験
                      1級が午前10時から、2級が午後2時からというスケジュールです。試験会場は東京大学駒場キャンパスでした。駅から歩いてすぐなので、目的地まで迷わずに到着することができました。
                      1級と3級の試験会場は隣同士でした。当日に試験を欠席した受験者の空き席が多かったのが印象に残っています。あと、本試験は途中退室が認められていないので、早めに試験を終えてしまうと暇です。試験終了の少し前に終わるように、丁寧に問題を解くと良いでしょう。

                      受験票には試験開始10:00の10分前に着席するように書かれていたのですが、注意事項の説明及び試験番号、会場名、氏名の記入等を行なう時間があり、実際に試験が開始するのは10:15からでした。席についてから試験開始まで結構暇です。

                      しばらくの後、試験監督者の「よーい、はじめ!」の合図とともに問題冊子を開いて全体を俯瞰すると、過去問と同じような問題もかなり多くみられました。法律系試験の正誤問題を解く際には、全ての選択肢を吟味し、文章の間違ってる箇所に下線を引いて、消去法で解いていくと良いです。50問目あたりで集中力が切れたので、一度深呼吸をして数分休んだ後、一気に残りの30問を解きました。
                      問題冊子に解答をチェックした時点で90分が経過していました。第1問目に戻って、問題冊子に記載した解答を1つずつ解答用マークシートに転記する作業の開始です。転記作業の仕方としては、問題ごと再度すべての選択肢を吟味することはなく、問題とチェックした選択肢のみを確認し、マークシートを塗りつぶすというステップで進めました。これが終わって時計を確認すると終了10分前。最後に問題冊子でマークしたものと、マークシートにマークした選択肢が正しいかどうかのチェックを実施しました。

                      試験が終わり、マークシートが回収されると、部屋から出ていくように言われました。弁当を持参していたのでこれには困りましたが、試験会場の上の階が控室になっていたようですので、昼食の後、午後の2級に備えて1級で分からなかった問題をスマートフォンで調べました。それでも午後の試験まで時間が空いたので、キャンパス内を散歩し、気分をリフレッシュしました。

                      午後の2級試験は14:00開始。1級と同様に14:15に試験開始でした。何度も書くようだけど暇。
                      1級よりも問題数が20問少ない全60問で試験時間も30分少ない90分。問題レベルはあまり変わりませんが、個数問題がなくスムーズに問題を解いていくことができたため、試験開始後30分ですべて解き終わり、それから10分ほどでマークシートへの転記が終わりました。
                      試験時間が半分以上残ったので、非常に暇を持て余しました。机に突っ伏して寝ましたが、試験終了10分前に試験監督者の「残り10分です」の声で目覚め、最後にもう一度問題冊子にチェックした解答とマークシートにマークした解答に相違がないことを確認して試験が終わりました。

                      2日後に個人情報保護士会のホームページに解答が掲載され、自己採点をしたらともに80%を超えていました。


                      ■総評
                      試験自体はそこまで難しくはないのですが、受かるためにはある程度の根気が必要です。というのも、試験勉強自体が面白くないんです。試験問題も正誤問題を判断していくような問題で、社労士試験のように一問一問に神経を使う必要があります。
                      趣味で受けるには少しツラい試験かもしれませんが、個人番号を扱う実務に関わっている方、番号制度についての見解を深めたい方、にとっては有用な試験だと思います。
                      特に、企業が個人番号の扱いを誤ると刑事罰に処されることもあるので、実務に従事している方は是非本試験を受験し、確かな知識を習得するようにしてください。


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