資格キラーのブログ

教育コンサルタントが効率的な勉強法で狙った資格を独学で取得し、受験体験記、学習に役立つ情報を順次発信します。
スカイプによる指導をご希望の方、その他問い合わせは、当サイトリンク先「スカイプ家庭教師」よりお問合せください。
<< 人生を成功に導く究極のスキル「引き算思考」 | main | エンジニアに向いていない人の特徴を4つほど考えてみた >>
財務諸表の全体像を初心者にも分かりやすく 〜財務3表一体理解法のすゝめ〜
0

    JUGEMテーマ:ビジネス

    JUGEMテーマ:検定試験にむけて

     

     

    「貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書」


    名前は知ってるし、どんな項目があって、それぞれの役割は何となく分かる。けど、それらの繋がりや読み方、実際に会社を設立したときに数字がどう動くのかをイメージできない人は多いのではないでしょうか。


    今回は、財務諸表のひとつひとつの項目を詳細に説明したり、仕訳のやり方を説明したりするのではなくもっと広い視点。各財務諸表の役割、そしてそれぞれがどう繋がっているかを簡単に説明します。


    本記事は中小企業診断士のような経営的な視点での財務諸表の見方に興味がある方や、簿記をやっているけれど何のために学習しているのか分からない方を対象としております。会計学に詳しい方は不十分だと思う点があるかと思いますがご容赦ください。

     

     

    ■貸借対照表
    貸借対照表はBSと表記されます。これは英語の"Balance Sheet"の略です。BSは資産と負債、純資産の状況がまとめられています。


    貸借対照表には左側と右側があって、左が資産、右が負債および純資産を表しています。資産や負債は分かりやすいですね。しかし、純資産って一体全体何でしょうか。資産に純がついただけなのに、貸借対照表上は資産と同じ左側ではなく反対の右側ってのが初心者には分かりづらい。負債は債権者から、純資産は株主から、とか言われても債権者って専門用語をすんなり理解できる時点で結構博識です。


    そこで、もう負債とか純資産とか分けずに考えてしまいます。貸借対照表の右側は会社が使えるお金、左側はそのお金の使い道、と理解してしまいましょう。

    試しに右側の負債の中身を見ていると銀行等から借りてきた「借入金」という項目が見られるかと思います。これは銀行から借りたお金です。

     

    貸借対照表図1


    で、純資産の中身をみてみると「資本金」と書かれているのが分かります。これは会社自身の持っているお金。また、この純資産には会社が自身で利益を上げた「繰越利益剰余金」というものがあります。借入金、資本金、繰越利益剰余金はすべて会社が使えるお金です。

     

    次に、左側を見ると「現金」「商品」「建物」といった項目があります。これは、会社がお金を使って得た資産であり、貸借対照表の右側のお金がどのような資産に変わったかを表しています。会社が商品や建物を買えば、その購入金額が左側の資産の部に書かれることになります。つまり、貸借対照表の右側と左側は一致することになります。

     

    貸借対照表図2


    貸借対照表を埋めるためにはルールを覚える必要があります。簿記で学ぶ「仕訳」とは、そのルールにならって貸借対照表を作成する作業に他なりません。


    貸借対照表は右側が会社が使えるお金、左側がお金の使い道。そして左側には繰越利益剰余金という会社自身が稼いだ利益があることを覚えてください。

     

     

    ■損益計算書
    損益計算書はPL。"Profit and Loss statement"からきています。PLからは企業が売り上げた収益と、それにかかった費用が分かります。


    PLには5種類の利益「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」があります。売上総利益は粗利とか呼ばれたりもします。

     

    損益計算書図3


    売上総利益は売上高から売上原価を引いたもの。つまり、その企業の商品力だけで稼げる利益の指標です。例えば、製造業などはこの売上総利益が重要になります。


    営業利益。これはその企業が主ビジネス(本業)で稼いだ利益です。人件費はここに含まれます。つまり、売上高から商品の原価、人件費を引いたその企業の稼ぐ力を表しています。たとえ商品力が高くても人材を使いこなせる力が弱ければ営業利益は少なくなってしまいますし、その逆、商品力が弱くても人材を上手く使って商品を売ることができれば営業利益は増えます。理想は商品力も人材力も高いことです。この営業利益は製造業に限らずすべての業種で非常に重要な指標です。


    経常利益。これは営業利益に主ビジネス以外で稼いだ利益を加えたものです。例えば、不動産賃貸や株・為替の利益などです。仮に経常利益で赤字だったとしても、それだけで企業に稼ぐ力がないとは断定できません。本業で黒字ーーすなわち営業利益がプラスであれば、その期は一時的なマイナスだったと考えられます。企業分析においては営業利益と同じくらい重要な指標です。


    税引前当期純利益。災害が起こった場合の社屋の損傷等を含めたものです。特別な事態を含めた利益なので、企業分析では営業利益や経常利益の方が重要視される傾向にあります。そして、当期純利益は税引前当期純利益から税金を引いたものです。つまり会社の手取り額です。税効果会計とか特殊なことを考えない限りはこの理解で構いません。

     

    損益計算書図4

     

    損益計算書では、営業利益や経常利益が企業分析をする上でとても重要ということ。そして当期純利益が会社の手取り額だと覚えてください。

     

     

    ■キャッシュフロー計算書
    キャッシュフロー計算書はCS。"Cash flow Statement"からきています。家庭における家計簿に相当します。


    このキャッシュフロー計算書は現金の出入りを表します。貸借対照表に書かれている売掛金や固定資産は資産ですが、すぐに現金化できないため現金とは分けて考える必要があります。例えば、その期に黒字だったとしても、いざ税金を支払おうというときに手元に現金がなかった場合、最悪黒字倒産ということもあり得ます。そのような事態は何としてでも避ける必要があり、現金を管理するキャッシュフロー計算書の必要性はここにあります。


    ではキャッシュフロー計算書の中身をみていきましょう。企業は、お金をもってきて、何かに投資して、稼ぐ、という3ステップを踏みます。そこで、それらの活動を財務活動、投資活動、営業活動と分けて、それぞれのキャッシュフローをひとつの表にまとめたものがキャッシュフロー計算書です。

     

    キャッシュフロー計算書図5


    一般的にキャッシュフロー計算書では、損益計算書の税引前当期純利益を基準にして、そこから現金が増えた分と減った分を足し引きして現金を求めます。といいますのも、会社の膨大な現金をゼロから順番に計算するのは非常に手間がかかるからです。小さな個人事業ならともかく、売上何兆円もの大企業になると非常に大変です。そこで、損益計算書ですでに計算済みの税引前当期純利益を使って、貸借対照表を参考にしながら出ていったお金と入ってきたお金を和算すれば比較的楽に現金の流れが把握できそうですよね。


    この足し引きの方法ですが、基本的には財務諸表に書かれている数字を用いて行ないます。例えば、棚卸資産が増えた分は資産として計上されていますが購入するのに現金を使っているのでキャッシュフロー計算書上ではマイナスします。一方、減価償却費は現金が出ていないにも関わらず利益を押し下げていますので、その分をプラスしてあげて手元にある現金を求めていきます。貸借対照表の「現金」は、このキャッシュフロー計算書から求められます。

     

    キャッシュフロー計算書図6


    キャッシュフロー計算書は現金がいくら残っているのかを教えてくれて、税引前当期純利益を基準にして求められることを覚えておきましょう。

     

     

    ■財務3表の関係性
    さて、ここまで貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CS)について概要を説明してきました。それではここからは三つの財務諸表がどのように連携しているのかを簡単に紹介します。


    まず、貸借対照表(BS)から見ていきましょう。
    BSの左側、つまり資産の部の「現金」はキャッシュフロー計算書(CS)の一番下の「現金」に繋がっています。そしてキャッシュフロー計算書(CS)の一番上に書かれている税引前当期純利益は損益計算書(PL)と繋がっていて、そこから税金が引かれた後の「当期純利益」は貸借対照表(BS)の右側、純資産の部の「繰越利益剰余金」と繋がっています。

     

    財務諸表の繋がり図7


    簿記アレルギーの方は、まずこのように財務諸表全体のつながりを覚えて、それから個別の仕訳を学んでいくと簿記の学習も楽しくなるかと思います。

     

     

    ■まとめ
    財務諸表について簡単に説明しましたが、より詳しく学びたい方は國貞克則氏の「財務3表一体理解法」をご一読ください。仮想会社を設立して商品を仕入れて、売上げて、決算までにどのように財務3表が変動するのかを丁寧に説明されています。この財務3表一体理解法を実際に紙とペンで書きながら覚える実践ドリルもありますので、より実践的な理解を求めている方はこちらもおススメです。


    筆者も簿記で仕訳をやったり、中小企業診断士で財務分析をしたりしていましたが、それぞれの財務諸表がどう繋がるかについてはかなり曖昧でした。そして、この本と出会ってそれぞれの財務諸表、構成項目、そして繋がりが見えたおかげで企業分析が楽しくなりました。特にこの本と出合う前はキャッシュフロー計算書の足す項目と引く項目についてはすべて暗記していました。が、CSの意味を考えれば暗記なんてする必要もありません。このような確かな理解をしたことで、その年中小企業診断士二次試験に合格することができました。


    中小企業診断士や簿記等の受験生、そして投資家をはじめとした企業分析に興味ある方々は財務諸表の読み方を一度じっくりと学んでみることをお勧めします。

     

     





    本ブログはランキングに参加しています。
    応援していただける方は下記リンクをクリックお願いします。
    にほんブログ村 資格ブログ 資格試験勉強法へ




    | katekyonet | ビジネス書 | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









    http://blog.katekyonet.com/trackback/139
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031    
    << December 2019 >>
    + SELECTED ENTRIES
    + RECENT COMMENTS
    • 中小企業診断士1次試験 独学1発合格 〜勉強時間: 250時間〜
      タカ (12/06)
    • 『自省録』に学ぶ 〜感情をコントロールして人生を謳歌する〜
      資格キラー (10/24)
    • 『自省録』に学ぶ 〜感情をコントロールして人生を謳歌する〜
      reader (10/21)
    • 行政書士試験 独学1発合格 〜勉強時間: 100時間〜
      資格キラー (08/30)
    • 行政書士試験 独学1発合格 〜勉強時間: 100時間〜
      まめ (08/29)
    • 中小企業診断士1次試験 独学1発合格 〜勉強時間: 250時間〜
      こなた (08/08)
    • 中小企業診断士1次試験 独学1発合格 〜勉強時間: 250時間〜
      資格キラー (08/08)
    • 中小企業診断士1次試験 独学1発合格 〜勉強時間: 250時間〜
      こなた (08/08)
    • 独学で意識すべき5つのこと
      資格キラー (07/10)
    • 独学で意識すべき5つのこと
      ヨウスケ (07/09)
    + CATEGORIES
    + ARCHIVES
    + Twitter
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    当サイトはリンクフリーです。
    + PROFILE